バックステージツアー @ 東京文化会館

パソコン買ったから更新増えるかも!と自分に期待してたのに、さっそく1週間あいてた…。
先日東京文化会館のバックステージツアーに参加してきました。参加費500円で約2時間をかけて、舞台装置の説明、実演、楽屋などを見て回ります。

まずは座席に座って照明や音響効果の実演。普段はバレエ公演しか観に来ない会場なので、失礼にも「こんなに華やかな照明できるんだ…」と驚きました(笑)古典バレエの照明は地味ですからね。そのあとオーケストラピットに入り、その深さと狭さを体感しました。多くの会場は必要なときだけ前方の稼働座席をつぶしてオケピを作りますが、東京文化会館のオケピは奈落になっていて、上昇するとステージの一部になります。参加者を載せたままオケピを上昇させ、そのあとは舞台背景などを吊るすバトンの説明を受けました。

バトンは耐重900キロ、秒速3センチ〜150センチの速さで自在に稼働することができる装置で、設定した数値の1ミリの誤差なく稼働するそう。数百キロの重さのセットを動かすので、1ミリのずれがとんでもない事故になるから、とのこと。

そのあとはオペラのプロンプターの説明。プロンプターはステージに埋まりながら歌手への指示を出してる人です。あんな狭いところで…大変な仕事だ。。このときに説明してくださったスタッフさんが、とても音楽が好きで、マニア的な楽しみ方をしてそうな方で(プロですから当たり前!?)、お話がとても面白かった。この方の興味の赴くままにお話ししてもらいたいなあ…1時間くらい…と思いながら拝聴してました。

次は照明の説明とカーテンコール体験。バレエなどでよく見る緞帳があがってから前に出てきてお辞儀と、もうひとつ少しだけカーテンを開いて主役級ダンサーたちだけが幕前に出てくるカーテンコールと2種類やりました。ツアーは3組に分かれているのですが、別の班の参加者が5階からピンスポットを当ててくれます(笑)

東京文化会館は世界トップレベルの数々のオーケストラやバレエ団の来日公演が行われているのですが、舞台袖と楽屋の壁はその来日するたびごとに書かれた団員たちのサインで埋め尽くされていました。これは誇張でなく、ほんとに隙間なくびっちり!サイン!サイン!サイン!絵心のある人は楽器の絵なども書いてたり、好きなバレエ団の何年の来日公演だ!とか見つけていくのが面白かったです。カンパニーによってはスタッフがお手製のパネルを用意してサインを残していくそう。とても意匠を凝らしたものもありました。会館の方は「とくにサインしてくださいってお願いしているわけじゃないんです、勝手に書いていくんです」とおっしゃってて、それが可笑しかったです。世界のカンパニーから「東京といえばこの舞台」と慕われてるんじゃないかな?と思いました。

会館側で用意してる色紙もあるようで、そのなかに指揮者のカラヤンの、片仮名で「カラヤン」とサインしてるのを見つけ、そのヘタ文字ぶりに笑ってしまいました。誰かから習って書いたのかしら…おちゃめ…。
そのあとは5階まで上りピンスポット体験しました。わたしは少しでも近くで見たい欲求が強く、いつも1階の席を買うため、5階まで上がるのは初めてでした。さすがに下をのぞき込むには怖い高さですし、ステージも遠いですが、想像よりずっと見やすいと感じました。金欠でも見たい公演があればチャレンジしようかな…。

ところで、東京文化会館の座席の色がランダムに違うのは設計の前川國男氏の指定で、その理由は諸説あり、お花畑のようなイメージの色使いをしたため、座席の色が違うと空席でも目立たないから、そうして色は上の階から紙吹雪?か何かをばら蒔いて決めた、などなど…要ははっきりとした理由はわかってないらしいです(笑)
ロビーの天井の照明は天の川をイメージしてランダムに配置してるそうなので、自然の法則にしたがって、あまり統一的なデザインにはしてないのかなー思いました。コンクリートの柱には板目、床には寄木細工みたいな模様があり、コンクリートむき出しであっても心地よい空間になるように配慮されてるのかな。

今回は半年以上休業して改装工事をしていましたが、それはほぼ耐震強化の工事だそうです。あと座席の張り替え、トイレはウォシュレットにはしたけど(笑)とスタッフ談。「お客様からどこが変わったのかわからないと言われることも多い」と苦笑されてましたが、安全に楽しんでもらうために、そして前川氏の意匠をそのまま遺していくことを目的にしてるんでしょうね。

最後にオーケストラ演奏会用の反響板つきのステージが上昇するのを見届けて解散しました。いつもバレエしか見てないので、あの舞台の下にもうひとつ舞台が収納されているとは…!と驚きました。

どこに座っても割と観やすい劇場なので好きでしたが、バックステージツアーに参加して、ますます親近感が湧きました。次の開催は3/17のようです。興味がありましたら、参加してみてください。
http://www.t-bunka.jp/sponsership/calendar.html

ちなみに舞台装置やサインなどは「ネットにアップしないこと」を条件に写真は撮り放題でした。