ミハイロフスキー劇場バレエ 「ジゼル」「海賊」 @東京文化会館

今年のバレエ鑑賞初めはミハイロフスキー劇場バレエの「ジゼル」でした。

「ジゼル」キャスト 1/6(火)
ジゼル:イリーナ・ペレン、アルベルト:レオニード・サラファーノフ
ミルタ:イリーナ・コシェレワ、森番ハンス:ウラジーミル・ツァル、ペザント・パ・ド・ドゥ:ヴェロニカ・イグナツェワ&アンドレイ・ヤフニューク、ジゼルの母ベルタ:アンナ・ノヴォショーロワ、アルベルトの婚約者バチルド:オリガ・セミョーノワ、公爵:アレクセイ・マラーホフ、アルベルトの従者:ロマン・ペトゥホフ、ドゥ・ウィリ:ワレーリア・ザパスニコワ&アンナ・ナウメンコ
指揮:ヴァレンティン・ボグダーノフ、演奏:ミハイロフスキー劇場管弦楽団
音楽:A.アダン 振付:J.コラーリ/J.ペロー/M.プティパ 改訂演出:N.ドルグーシン

仕事帰りなのと、DVD鑑賞時にはいつも二幕で睡魔に襲われるので寝てしまうかもなあ…と不安でしたが、ペレンとサラファーノフの技量と演技力で「ジゼル」の世界にぐいぐい引き込まれ、集中してみることができました。
サラファーノフのアルベルトは、階級意識はありつつもジゼルのことは「お遊び」と片付けるほどプレイボーイでもなく純粋なところもあり、そのせいか二幕登場で初めて「あ、この衣装は喪服なんだ…」と気づきました。心からジゼルの喪失を悲しんでるし、自分のしでかしたことを後悔してるように見え、ソロのアントルシャシスの超絶技巧も素晴らしくて、技術と演技力がこんな高いレベルで両立していることに驚きました。ペレンもサラファーノフにまったく引けを取らず壮絶なマッドシーンと、二幕での浮遊感…
主役だけでなく、ペザントのイグナツェワ、ミルタのコシェレワ、コールドバレエのダンサーたち隅々まで高い技術力で、安心して見ていられました。一瞬ひやっとした場面もあったのですが、気にならないくらい。
あぁ素晴らしいものを見たなあ…と今年の観劇生活が祝福されてる!幸先の良いスタートでした。



「海賊」キャスト 1/8(木)
メドーラ:エカテリーナ・ボルチェンコ、コンラッド:ファルフ・ルジマトフ、アリ:レオニード・サラファーノフ、ギュリナーラ:アナスタシア・ソボレワ、奴隷商人ランケデム:アレクサンドル・オマール、ビルバント:ミハイル・ヴェンシコフ、トルコ総督セイード・パシャ:アレクセイ・マラーホフ、3人の娘:オリガ・セミョーノワ&クリスティーナ・マフヴィラーゼ&ニーナ・オスマノワ、ビルバントの仲間:ロマン・ペトゥホフ&ニコライ・アルジャエフ、アルジェリアの踊り:アレクセイ・クズネツォフ、オダリスク:ワレーリア・ザパスニコワ&スヴェトラーナ・ベドネンコ&アンナ・ナウメンコ
指揮:パヴェル・ブベルニコフ、演奏:ミハイロフスキー劇場管弦楽団
音楽:A.アダン 他 振付:M.プティパ/P.グーセフ 改訂演出:F.ルジマトフ

「海賊」をDVD鑑賞してるときは誰が主人公なのかよくわからない演目だと思っていたのですけれど、実際に舞台を見てみると、まんべんなく皆に見せ場があって、いろんなダンサーを知るには良い演目なのかもと思いました。
コンラッドはあまり踊りませんが、ルジマトフの存在感はすごかったです。威厳のある立ち姿に「若造ではこうはいくまい…」と思わせる風格がありました。ギュリナーラ役のソボレワは手足が長く演技力もあって好感を持ちました。ハーレム生活もそこそこエンジョイしてるちゃっかり者なのキュートでした。またハーレムの主人パシャのアレクセイ・マラーホフがとても面白可笑しく演じるので、悲壮感がないのよね。
アリ役のサラファーノフはこの日も素晴らしかったです。なんなんだこの人…すごい技を事もなげにさらりとやってのけてる。なのに全くひけらかさない。全体的にがっちりして「オス」という感じのダンサーが多いロシア系にあって、サラファーノフは顔が小さくて身体も華奢、中性的に見えるからバレエ界のジャニーズ系だと思いました(笑)アイドルだよ、もうかっこよかった!