洗濯槽の掃除

数年前に話題になったときはスルーしてた洗濯槽の掃除を、とうとうやってみました。なぜなら最寄りスーパーにが過炭酸ナトリウムを常備するようになり、ふと目についたからです。平日休みの日にほんとうに気軽にためしてみたのですが、すぐに後悔しました。いや、掃除したことについて全く後悔してないのですが、その過程が想像していたのとははるかに遠くて…つかれた…そのひとことです。

あらゆる掃除、整理整頓にたいして親しみのないわたしが「洗濯槽の掃除」などという掃除界のハードコア部分に手を出してしまったのは、夫を送り出したあとの平日休みに朝風呂をキメ、なんなら湯船につかって読書などという絵にかいたような優雅なことをしてしまい、いつになく気分が高揚していたからとしか理由が思いつきません。あとは風呂、湯船…そう、ひとり分のお湯を捨てるのもね…という貧乏性のせい。

数日前に買っておいた過炭酸ナトリウム(500g)の袋の裏面には洗濯槽いっぱいにお湯を張り一袋入れるとあったので、おお、このお湯使えるじゃん!て思い立ったこと、それがその後3日に渡ってわたしを翻弄することになるとは…。

洗濯機付属ポンプでお湯を移し、過炭酸ナトリウムを入れました。一晩放置しないと汚れが浮いてこないかな〜なんてのんきに考えていましたが、効果は一袋入れた瞬間、数回撹拌しただけで、過炭酸ナトリウムが花王のバブ的なシュワシュワ音を出して溶けてゆくその合間にも「ぼわああああーー」と浮いてくる浮いてくる。あれ、ここは天然海苔の漁場かな??と勘違いしそうなほどの茶色いふわふわとした浮遊物…ちょっとこれはあまりに衝撃的光景なのでトラウマになってしまい、海苔を食べられなくなるんじゃないかな?と心配して掃除の直後に韓国海苔を食べましたけど、とてもおいしかったです。

そのあとは金魚すくいのプロのような熱心さでもって網を操り天然海苔の収穫もとい、洗濯機の浮遊物を捕獲しました。すくっては撹拌し、撹拌してはすくい、そして水を入れ替えまた撹拌し、そして網ですくい…これを3日、気がつくと洗濯機の前で網を持っていた日々…。お水は4回替えました。腕筋肉痛になりました。

まあ、おかげで生乾きの嫌な臭いがなくなりました。梅雨、どんとこいです。

モナコ公国モンテカルロ・バレエ団「LAC〜白鳥の湖」2/28夜@東京文化会館

ジャン=クリストフ・マイヨー率いるモナコ公国モンテカルロ・バレエ団「LAC〜白鳥の湖」、2/28(土)の夜公演を見てきました。

キャスト表より

振付:ジャン=クリストフ・マイヨー、ドラマトゥルギー:ジャン・ルオー、衣装:フィリップ・ギヨテル、照明:ジャン=クリストフ・マイヨー、サミュエル・テリー

王:アルヴァロ・プリート、王妃:ミー・デン、夜の女王:モード・サボラン
王子:ステファン・ボルゴン、白鳥:アニヤ・ベーレント、黒鳥:エイプリル・バール
王子の友人(相談役):アシエル・エデソ、闇の大天使:クリスティアン・ツヴァルジャンスキー、エディス・エルグク

[欺くものたち]
虚栄心の強い女:リイサ・ハマライネン、偽りの無関心を装う女:ノエラニ・パンタスティコ、放埓な女たち:アンハラ・バルステロス、アンヌ=ラウラ・セイラン、貪欲な女:ガエル・リウ

狩人たち:ルーカス・スリーフット、レアルト・デュラク、コーエン・ハヴェニス、ジュリアン・ゲラン、アレクシス・オリヴェイラ、ジョルジュ・オリヴェイラ、ダニエレ・デルヴェッキオエドガル・カスティロ、ステファノ・デ・アンジェリス

その友人たち:シヴァン・ブリツォワ、クイン・ペンドルトン、フランチェスカ・ドルチ、アレッサンドラ・トノローニ、田島香緒理

キマイラたち(白鳥):シヴァン・ブリツォワ、サラ・クラーク、ティファニーパチェコ、エレーナ・マルザーノ、フランセス・マーフィ、アレッサンドラ・トノローニ、クイン・ペンドルトン、ガエル・リウ、リイサ・ハマライネン、アンヌ=ラウラ・セイラン、田島香緒理、ベアトリス・ウァルテ、アンナ・ブラックウェル

宮廷:アンヌ=ラウラ・セイラン、ガエル・リウ、アンナ・ブラックウェル、フランチェスカ・ドルチ、フランセス・マーフィ、アンハラ・バルステロス、シヴァン・ブリツォワ、リイサ・ハマライネン、ベアトリス・ウァルテ

ジョルジュ・オリヴェイラ、アレクシス・オリヴェイラ、ルーカス・スリーフット、ステファノ・デ・アンジェリス、ジュリアン・ゲラン、エドガル・カスティロ、ダニエレ・デルヴェッキオ、コーエン・ハヴェニス、レアルト・デュラク

チャイコフスキー:LAC ~その後の白鳥の湖《BD》 [Blu-ray]

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まずプロローグとして舞台上スクリーンに映像が流れる。王子が幼い頃、誕生日に招かれた女の子(のちの白鳥)と出会い、初恋をする。そこに古典ではロットバルトに当たる役「夜の女王」とその娘・黒鳥が割り込み、自分の娘に見向きもしない王子に腹を立て、初恋の女の子をさらっていく…。

1幕、王子の嫁選び中に夜の女王と黒鳥が乱入して、王と王子をそれぞれ誘惑しようとする。王妃と王子の腹心の友(相談役)がふたりを正気にして、結局、王子は嫁候補すべてを拒絶する。


2幕、森の中で白鳥との再会。夜だけ人間に戻れる白鳥は王子に手で触れることができる喜びを全身で表現。

3幕、結婚相手をお披露目する仮面舞踏会、白鳥が黒鳥と入れ替わっていることに気が付かない王子。王子の裏切りを見て、絶望する白鳥はその場を去る。王子を陥れた黒鳥を殺める王妃。

4幕、白鳥を追いかける王子。夜の女王から王子を守るために王、王妃たちが登場。狩人たちが黒鳥の亡骸を担いでいるのを見て絶叫し嘆く夜の女王。その報復として白鳥を殺め、王子もまた命を落とす。


白鳥の湖」には珍しく、マイヨー版には父王が存在している。ややマッチョで「男とはこうあるべし」と説くけど、夜の女王の誘惑にクラっとしそうになったり、王子の友人たちとも楽しく踊って、わりと親しみやすい、人間臭い王様(笑)王妃は浮気性の夫の行動がちょっと気になってる、息子にも自立よりまだ手元に置いておきたい気持ちが強い感じ。

マイヨーのインタビューによると、夜の女王は現実や自然を象徴し、人間の力が及ばない存在とのこと。白鳥の湖はどのバージョンでも王子の物語という印象だけれど、マイヨーのプレトークによれば「夜の女王と王妃、ふたりの母親の物語でもある」とのことで、たしかに二人の確執に、それぞれの子供たちが巻き込まれた感じもする。ただ、黒鳥が娘として、では白鳥はどこから来たのか?パンフの解説には王子の誕生日を祝うピクニックに招待された女の子とあったけど、彼女の出自がわからない。

恋の喜びあふれるPDDも、白鳥は人間に戻れそうな予感と、好きな人に触れられる喜びでいっぱいに見えて、古典バレエにあるようなお互いへの献身的な愛というようなものは薄い。白鳥に限らず、登場人物はみな利己的で自分の欲望へ素直というか…とても人間らしい人物造形だった。

王妃が黒鳥を殺めてしまうのも、それを見て慟哭する夜の女王も、単純な「善」と「悪」ではなく、ひとりのなかに全てがあると見せる描写だから、人物が立体的に見えて魅力的だった。

わたしが一番気になった人物は「王子の相談役」。英語表記だとThe Confident(腹心、親友)は王子が大好き!というのが踊りから、視線からあふれておりました(笑)嫁選びもぶち壊すし、3幕スペインの踊りでは王子に視線をロックオンしてアピールしまくるし、挙句の果てに横たわる王子に覆いかぶさるし!王様に止められて引きはがされてたけど…!でも王子にあんまりかまってもらえてない…悲しい。

そう、「相談役」という単語だと年上の指導的立場を感じるけれど、実際に演目を見れば、幼馴染というか乳兄弟というのがしっくりくる親密さだった。衣装も、ほかの王子の友人たちは襟付きベストでより正装に近いが、The Confidentはサスペンダーのようなシルエットのベストで簡素に見え、友人たちよりも身分が低いのかなと思わせる。


夜の女王の二人のお付きの者は「闇の大天使」という、ちょっと中二的なネーミングで(笑)、英語表記だとただのArchangelたちがまた素敵で、女王と三人で一体化する踊りがラスボス感ありすぎてかっこいいの!しかも、4幕で女王がピンチのとき、二人で「どうする?俺たちこれからどうするーー?」みたいに隅っこで抱き合ってて、これもまた悪役として憎めない感じでした。かわいい…。


振付はテクニックと身体能力が高くなければ到底踊りこなせない難易度の高いリフトが多く、それもものすごいスピードで展開していくので、ダンサーたちのエネルギーたるや!しかしそれも古典バレエのような「技のご披露」というようなものではなく、物語る動きであるので、物語にどっぷり入り込める。マシュー版スワンと同じくらい大胆な古典翻案で、たいへん楽しみました。DVDもあるので、これから何度か見直そうと思います。

リージョンフリーDVD再生機

昨年末に買ったリージョンフリーDVD再生機はここ数年のなかで「買ってよかった物」ダントツ1位…!昨年10月から好きなイギリスの俳優ローリー・キニアさん出演作品は日本版が発売されてないものもあり、英語はからきしダメですが字幕がなくても、それでも見てみたいなあと思いつつ、でも海外のDVDはリージョンが違うから見られない…と1か月ほど悩んでいた。
結局クリスマスを口実に購入しましたが、なんでも再生できるということは発注の手が止まらない!ということです…。イギリスの梱包はずさんでケースが割れてることはしょっちゅうですが、ディスクが無事ならそれでいい!(たまにディスクも作りが雑なときがある)という寛容さも手に入れました(日本のアマゾンから梱包の仕方教えてもらったほうがいいと思うUK尼)

シェイクスピアの面白さに目覚めたわたしがまず買うのはこれだよね、というわけでThe Hollow Crown。「リチャード二世」「ヘンリー四世(第一部・第二部)」「ヘンリー五世」をドラマ化したもの。キニアさんは「リチャード二世」で若き日のヘンリー四世・ボリングブルックを演じています。素晴らしい声で発っせられるセリフに萌えころがりながら視聴してます。なんてかっこいいんだ…。

英語字幕のみなので、ドラマを見る前に予習として日本語訳された戯曲を読んでいます。そのためヘンリー四世(第一部)までしか見ていません。サイモン・ラッセル・ビールが、どうしようもないけれど憎めない可愛げのあるフォルスタッフを見事に演じていて、すっかりファンになりました。今年のナショナルシアターライブでアンコール上映される「リア王」もまた通ってしまうかもしれません…。


あと見たのはThe First Men In The Moon、H・G・ウェルズSF小説「月世界最初の人間」をもとにしたドラマ。シャーロックの兄マイクロフト役で有名なマーク・ゲイティスさんが脚本と主演。引力を無効化させる物質を発明した科学者と、それで一儲けしようと協力する破産した実業家が月へ行く話です。キニアさんは主人公である元実業家を演じています。ほぼ二人のお芝居なのでセリフがたくさんあるのと、衣装も素敵だし、ちょっとメルヘンチックなシーンがあって可愛かったりして、とても見ごたえがありました。日本版出せばいいのにーーシャーロック人気に便乗して(笑)

あと5本くらい買ってますが、まだ見ていません。これから予習復習しながらちょっとずつ楽しんでいくんだ〜。

無印のパジャマ

このごろはバレエや映画のチケット、DVD購入にばかり消費してしまっているので、冬の洋服はほとんど買ってない。寒くなるまえにユニクロでセーターとカーディガンを3枚くらい。あとは遊中川などで面白い柄のタイツを買った。セーター類はどんなに高いものを買っても毛玉ができるしくたびれるので、もう安いユニクロを3年ごとに買い替えれば、いつもパリっとしてていいんじゃないか…という気持ち。バーゲンにも近づかないようにしている。

この冬買ってよかったのは無印の二重ガーゼのパジャマ。肩の部分にキルティング加工され、襟もハイネックになるようにボタンがついてる。とても温かくて、どうしてもっと早く買わなかったのか!と少し後悔したくらいです。フランネル生地のはセール対象であったけれど、肌触りや洗濯のしやすさなど考えてガーゼにしました。久しぶりに無印に行ったのだけど、こういう気の利いた商品はさすがだなあと思いました。

小谷美紗子・Ropes @ 晴れたら空に豆まいて

小谷美紗子 @ 晴れ豆セトリ

  1. 街灯の下で
  2. Who
  3. 青さ
  4. 子供のような笑い声
  5. 雲のように
  6. 誰か
  7. 新曲
  8. 眠りのうた


髪がサイドは鎖骨、後ろは肩甲骨あたりまで伸びてた。毛先にゆるくパーマ。カラシ色のモヘアのセーター、デニムパンツ、ミュウミュウのスタッズスニーカー。1曲目スニーカー脱がないので珍しいと思ってたら、歌い終わった瞬間に右足だけ脱いだ(笑)やはり裸足じゃないとペダル踏めないのね(笑)


3曲目まで歌ったところでようやく挨拶、「最近、悪魔のような人と接することがあり、そういう人と戦うには自分も悪魔にならないといけない。けれど周囲にいる私を信じてくれてる人や好きな人たちのことを考えて悪魔にはならない。ただ、こういうことがきっかけで曲がたくさん書けたりするので、それはラッキーと思ってる、そんな年明けです」とMCをしてから『子供のような笑い声』…この曲はおそらく今いちばん助かってほしいあの人へ向けられて歌われたんだろう。小谷さんの祈る気持ちがわたしにも伝わってきて、ただでさえ胸を刺す歌詞なのに…滂沱でした。

「3日前くらいにできたばかりで、まだ一度も失敗せずに演奏しきってないのだけど、歌いたい気持ちが強いので」と新曲を披露。変拍子でトリオアレンジで演奏しても格好良さそう。歌詞で覚えてるフレーズは「星空が目に染みるよう夜は」「もう少しそばにいたい」「忘れ日和」「青空がいらつく朝はすべてに食らいついて」「ふたりはどうなるの」「瑕のある愛」など。忘れ日和という言葉が「消えろ」に通低する逆接の明るさ、強さがあって小谷さんらしいと思った。

『眠りのうた』の前に、「ずいぶん前にすべてがどうでもよくなって歌もやめちゃおうと思ってたときに、大好きなeastern youthの吉野さんにこの曲が好きだと言われて、それがとても嬉しくて、それまでのもやもやが晴れた。あぁ…人はこういう小さなことに勇気づけられるんだな」といってた。でもそういう小谷さんの歌や言葉で慰められるわたしたちがいるわけで、吉野さんありがとう(笑)と思いました。

歌い終わったあともアンコールを促す拍手が鳴りやまず、ステージに戻ってきた小谷さん、「以前から言ってますが、対バンのとき、わたしがトリであってもフェアにするためアンコールはしません。今、そうツイートしてきました」とお開きの挨拶をした(笑)

対バンのRopesについては「コード進行とか、声とか歌いかたとか素敵だと思った。…好みのタイプ」とのこと。わたしも良いと思いました。ボーカルの女性の地声は太く土台がしっかりしてて好きだなーって。わたし音楽は好き嫌い激しいので対バン苦手なのだけど楽しかった!

バックステージツアー @ 東京文化会館

パソコン買ったから更新増えるかも!と自分に期待してたのに、さっそく1週間あいてた…。
先日東京文化会館のバックステージツアーに参加してきました。参加費500円で約2時間をかけて、舞台装置の説明、実演、楽屋などを見て回ります。

まずは座席に座って照明や音響効果の実演。普段はバレエ公演しか観に来ない会場なので、失礼にも「こんなに華やかな照明できるんだ…」と驚きました(笑)古典バレエの照明は地味ですからね。そのあとオーケストラピットに入り、その深さと狭さを体感しました。多くの会場は必要なときだけ前方の稼働座席をつぶしてオケピを作りますが、東京文化会館のオケピは奈落になっていて、上昇するとステージの一部になります。参加者を載せたままオケピを上昇させ、そのあとは舞台背景などを吊るすバトンの説明を受けました。

バトンは耐重900キロ、秒速3センチ〜150センチの速さで自在に稼働することができる装置で、設定した数値の1ミリの誤差なく稼働するそう。数百キロの重さのセットを動かすので、1ミリのずれがとんでもない事故になるから、とのこと。

そのあとはオペラのプロンプターの説明。プロンプターはステージに埋まりながら歌手への指示を出してる人です。あんな狭いところで…大変な仕事だ。。このときに説明してくださったスタッフさんが、とても音楽が好きで、マニア的な楽しみ方をしてそうな方で(プロですから当たり前!?)、お話がとても面白かった。この方の興味の赴くままにお話ししてもらいたいなあ…1時間くらい…と思いながら拝聴してました。

次は照明の説明とカーテンコール体験。バレエなどでよく見る緞帳があがってから前に出てきてお辞儀と、もうひとつ少しだけカーテンを開いて主役級ダンサーたちだけが幕前に出てくるカーテンコールと2種類やりました。ツアーは3組に分かれているのですが、別の班の参加者が5階からピンスポットを当ててくれます(笑)

東京文化会館は世界トップレベルの数々のオーケストラやバレエ団の来日公演が行われているのですが、舞台袖と楽屋の壁はその来日するたびごとに書かれた団員たちのサインで埋め尽くされていました。これは誇張でなく、ほんとに隙間なくびっちり!サイン!サイン!サイン!絵心のある人は楽器の絵なども書いてたり、好きなバレエ団の何年の来日公演だ!とか見つけていくのが面白かったです。カンパニーによってはスタッフがお手製のパネルを用意してサインを残していくそう。とても意匠を凝らしたものもありました。会館の方は「とくにサインしてくださいってお願いしているわけじゃないんです、勝手に書いていくんです」とおっしゃってて、それが可笑しかったです。世界のカンパニーから「東京といえばこの舞台」と慕われてるんじゃないかな?と思いました。

会館側で用意してる色紙もあるようで、そのなかに指揮者のカラヤンの、片仮名で「カラヤン」とサインしてるのを見つけ、そのヘタ文字ぶりに笑ってしまいました。誰かから習って書いたのかしら…おちゃめ…。
そのあとは5階まで上りピンスポット体験しました。わたしは少しでも近くで見たい欲求が強く、いつも1階の席を買うため、5階まで上がるのは初めてでした。さすがに下をのぞき込むには怖い高さですし、ステージも遠いですが、想像よりずっと見やすいと感じました。金欠でも見たい公演があればチャレンジしようかな…。

ところで、東京文化会館の座席の色がランダムに違うのは設計の前川國男氏の指定で、その理由は諸説あり、お花畑のようなイメージの色使いをしたため、座席の色が違うと空席でも目立たないから、そうして色は上の階から紙吹雪?か何かをばら蒔いて決めた、などなど…要ははっきりとした理由はわかってないらしいです(笑)
ロビーの天井の照明は天の川をイメージしてランダムに配置してるそうなので、自然の法則にしたがって、あまり統一的なデザインにはしてないのかなー思いました。コンクリートの柱には板目、床には寄木細工みたいな模様があり、コンクリートむき出しであっても心地よい空間になるように配慮されてるのかな。

今回は半年以上休業して改装工事をしていましたが、それはほぼ耐震強化の工事だそうです。あと座席の張り替え、トイレはウォシュレットにはしたけど(笑)とスタッフ談。「お客様からどこが変わったのかわからないと言われることも多い」と苦笑されてましたが、安全に楽しんでもらうために、そして前川氏の意匠をそのまま遺していくことを目的にしてるんでしょうね。

最後にオーケストラ演奏会用の反響板つきのステージが上昇するのを見届けて解散しました。いつもバレエしか見てないので、あの舞台の下にもうひとつ舞台が収納されているとは…!と驚きました。

どこに座っても割と観やすい劇場なので好きでしたが、バックステージツアーに参加して、ますます親近感が湧きました。次の開催は3/17のようです。興味がありましたら、参加してみてください。
http://www.t-bunka.jp/sponsership/calendar.html

ちなみに舞台装置やサインなどは「ネットにアップしないこと」を条件に写真は撮り放題でした。

ミハイロフスキー劇場バレエ 「ジゼル」「海賊」 @東京文化会館

今年のバレエ鑑賞初めはミハイロフスキー劇場バレエの「ジゼル」でした。

「ジゼル」キャスト 1/6(火)
ジゼル:イリーナ・ペレン、アルベルト:レオニード・サラファーノフ
ミルタ:イリーナ・コシェレワ、森番ハンス:ウラジーミル・ツァル、ペザント・パ・ド・ドゥ:ヴェロニカ・イグナツェワ&アンドレイ・ヤフニューク、ジゼルの母ベルタ:アンナ・ノヴォショーロワ、アルベルトの婚約者バチルド:オリガ・セミョーノワ、公爵:アレクセイ・マラーホフ、アルベルトの従者:ロマン・ペトゥホフ、ドゥ・ウィリ:ワレーリア・ザパスニコワ&アンナ・ナウメンコ
指揮:ヴァレンティン・ボグダーノフ、演奏:ミハイロフスキー劇場管弦楽団
音楽:A.アダン 振付:J.コラーリ/J.ペロー/M.プティパ 改訂演出:N.ドルグーシン

仕事帰りなのと、DVD鑑賞時にはいつも二幕で睡魔に襲われるので寝てしまうかもなあ…と不安でしたが、ペレンとサラファーノフの技量と演技力で「ジゼル」の世界にぐいぐい引き込まれ、集中してみることができました。
サラファーノフのアルベルトは、階級意識はありつつもジゼルのことは「お遊び」と片付けるほどプレイボーイでもなく純粋なところもあり、そのせいか二幕登場で初めて「あ、この衣装は喪服なんだ…」と気づきました。心からジゼルの喪失を悲しんでるし、自分のしでかしたことを後悔してるように見え、ソロのアントルシャシスの超絶技巧も素晴らしくて、技術と演技力がこんな高いレベルで両立していることに驚きました。ペレンもサラファーノフにまったく引けを取らず壮絶なマッドシーンと、二幕での浮遊感…
主役だけでなく、ペザントのイグナツェワ、ミルタのコシェレワ、コールドバレエのダンサーたち隅々まで高い技術力で、安心して見ていられました。一瞬ひやっとした場面もあったのですが、気にならないくらい。
あぁ素晴らしいものを見たなあ…と今年の観劇生活が祝福されてる!幸先の良いスタートでした。



「海賊」キャスト 1/8(木)
メドーラ:エカテリーナ・ボルチェンコ、コンラッド:ファルフ・ルジマトフ、アリ:レオニード・サラファーノフ、ギュリナーラ:アナスタシア・ソボレワ、奴隷商人ランケデム:アレクサンドル・オマール、ビルバント:ミハイル・ヴェンシコフ、トルコ総督セイード・パシャ:アレクセイ・マラーホフ、3人の娘:オリガ・セミョーノワ&クリスティーナ・マフヴィラーゼ&ニーナ・オスマノワ、ビルバントの仲間:ロマン・ペトゥホフ&ニコライ・アルジャエフ、アルジェリアの踊り:アレクセイ・クズネツォフ、オダリスク:ワレーリア・ザパスニコワ&スヴェトラーナ・ベドネンコ&アンナ・ナウメンコ
指揮:パヴェル・ブベルニコフ、演奏:ミハイロフスキー劇場管弦楽団
音楽:A.アダン 他 振付:M.プティパ/P.グーセフ 改訂演出:F.ルジマトフ

「海賊」をDVD鑑賞してるときは誰が主人公なのかよくわからない演目だと思っていたのですけれど、実際に舞台を見てみると、まんべんなく皆に見せ場があって、いろんなダンサーを知るには良い演目なのかもと思いました。
コンラッドはあまり踊りませんが、ルジマトフの存在感はすごかったです。威厳のある立ち姿に「若造ではこうはいくまい…」と思わせる風格がありました。ギュリナーラ役のソボレワは手足が長く演技力もあって好感を持ちました。ハーレム生活もそこそこエンジョイしてるちゃっかり者なのキュートでした。またハーレムの主人パシャのアレクセイ・マラーホフがとても面白可笑しく演じるので、悲壮感がないのよね。
アリ役のサラファーノフはこの日も素晴らしかったです。なんなんだこの人…すごい技を事もなげにさらりとやってのけてる。なのに全くひけらかさない。全体的にがっちりして「オス」という感じのダンサーが多いロシア系にあって、サラファーノフは顔が小さくて身体も華奢、中性的に見えるからバレエ界のジャニーズ系だと思いました(笑)アイドルだよ、もうかっこよかった!