一箱古本市@谷根千

土曜日が近づくにつけ天気予報を見ながら悶々としていた。小雨降る朝7時にTwitterでの開催宣言を見て、よし!と気合を入れて準備する。なんでそんなに張り切ってるのかといえば、2年前に谷根千デビューして以来ずっと一人で散策して、mixiの日記にもお店紹介などしていたけれど、今回は!なんと初めてお友達を連れて案内することになったから。わたしがこっそりと楽しんでいた街をお店を、だれか違う人が見ても面白いと思ってくるのかしら。

渋滞で遅れる友人より先にわたしは夕焼けだんだんすぐそばの松野屋からスタート。晴れた日ならお店前に籠やらバッグやらが、まるで市場の野菜のようにたくさん並べられいる松野屋さんだけど、あいにくの雨で店頭には庇の下にちょこんと一箱を置いた店主さんのみ。それでも古本市が始まってすぐの時間(11時からスタート)だというのに、お店にはわらわらと古本を眺める人が集まっていた。
ここでは、いちょう文庫さんお手製の文庫カバーを購入。クロスステッチで猫・犬・牛・鴨などの動物から古典的なイチゴ柄、家電やらユーモアのある柄がテーマごとに刺繍されている。とても趣味の範囲とは思えない超絶技巧。どれも可愛いのでずいぶん迷ったけれど、いちおうパンダ好きを自称するものとして、パンダ柄があるのにそれを選ばないとは名が廃る!とパンダ柄を選び、そのあとの会場にいくたびに、お話した店主さんに自慢した(笑)*1

次はすぐ近くの古書信天翁(あほうどり)さんへ。こちらは演劇や音楽、写真や美術などのアート関連本が充実したお店らしく、壁に掛けられたイラストなども思わず見とれるもの多し。うわーここは絶対に、日を改めてゆっくりと眺めまわすと決めた。


次はライオンズガーデン。こちらでは出店者一覧で“今回のテーマは「ヨウコが選ぶヨウコの本100冊」”と紹介されて気になっていた駄々猫舎さんでお世話になった。目をつけていた多和田さん本を2冊購入(『文字移植』『アメリカ 非道の大陸』)。しかもただのファンであるにも関わらず、さも知り合いのように「もす文庫」さんのお名前を出したところ100円引きにしてくださった!すみませんすみません駄々猫舎さん、もす文庫さん(涙)

読書好きのSNS「やっぱり本を読む人々」さんは、あ〜この本読んでみたかったの!という本を毎回かなりお安く出品しているため、リストも貰ってしっかりチェック。アゴタ・クリストフ悪童日記』と水村美苗本格小説』下巻を購入。

可愛い姉妹で初出店のユタカタさんで大島弓子『夏のおわりのト長調』を購入。ユタカタ姉妹には、遅れてきた友人の買い物が終わるまでのあいだ、わたしのくだらないおしゃべりにお付き合いいただいて大変感謝。

大円寺で「おしょくじ」を引き、宗善寺を回り、茶舗さんなのに古本が充実している「喜多の園」さんでお茶を頂きながら古本を眺め*2往来堂書店前では岡崎武志さんとお話できて舞い上がり、往来堂の棚に気持ちが吸い込まれそうになっている友人を無理やりひっぺがして(笑)、ようやく古書ほうろう到着!

もす文庫さんに「アド街見た」と告げれば、まるで敵国で諜報活動をしているスパイ同士の符丁のように極秘ファイルもとい、美猫ビビさんのポストカードを受け取る。わーい!「著者近影」写真を選びました。相変わらず美しいビビさん…。坂口知香『もしもし動物会議』を購入。東北土産までいただきまして、ありがとうございます!楽しくお話できて嬉しかったです。

海外作品をほとんど読んだことがない言えば、一冊一冊本を手にして丁寧に作品説明してくださったお店で*3ブリジット・オベール『マーチ博士の四人の息子』を購入。

時間や天候なこともあり、コシヅカハムまでは回れなかったのがちょっと心残りだけど、今回も良い本とたくさん出合えました。これから読んでいくぞーと思っているときが一番幸せですね。それと一緒に回ってくれた友人が、わたしの気に入りのお店にいちいち目を見張り、いちいち感激し、ついには絶叫しそうになるくらいテンションあげて、雨の中をたくさん歩いて、古本市でもバンバン買いまくってくれたのが一番嬉しかった!

*1:帰宅して夫にも自慢したら、ひとこと「ドット絵だね」と言われた。ゲームおたくはこれだから。

*2:よく考えるといろいろ間違ってるおもしろシーン。

*3:屋号を失念。ブコウスキーなどのお面を作られていた店主さんです。