第14回世界バレエフェスティバル<プログラムA> 8/5(水)

■第 1 部
チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー

トップバッターとして安定の二人。しかしなんというのか、2年前にアシュレイ・ボーダーの目が覚めるようなチャイパド見てるので、サレンコはテクニックもあるけど…うーん…せっかくアシュレイがいるのに…バランシン踊ってほしかったなあという気持ちが強かった。マックレーはいつもの素晴らしいマックレーでした。


「3 つのグノシエンヌ」
振付:ハンス・ファン・マーネン/音楽:エリック・サティ、ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル
マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメーカー

初めて見た作品。幾何学模様のような、パズルのような、正しいところにカチカチと組み合わせていくことで構築されるダンス、振付。でも、見せ場みたいなものが薄く、ピアノが素敵ね…という印象で終わる。わたしの勉強不足が原因。



「お嬢さんとならず者」
振付:コンスタンティン・ボヤルスキー/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
アシュレイ・ボーダー イーゴリ・ゼレンスキー
これは言葉のないお芝居のようなダンス。ふたりの演技力が光りました。躾のされてない大型犬・ゼレンスキーが、人恋しいのにどう付き合えばいいのか分からないながら、調教師アシュレイに心開いていく話で(違うw)、乱暴に振る舞ってしまうけど、でも本当は尻尾ブンブン振ってるゼレンスキー犬。超可愛かった…。ゼレンスキーをかなり好きになりました。


白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
タマラ・ロホ アルバン・レンドルフ

超絶技巧のタマラだから…!という期待が大きかったのか、あまり調子もよくなさそうで、フェッテでも踵がついちゃったり…拍子抜け。それでも賢く妖艶な魅力的なオディールでした。レンドルフは小柄ながらバネがある筋肉で、テクニックも強い感じ。


「フェアウェル・ワルツ」
振付:パトリック・ド・バナ/音楽:フレデリック・ショパン、ウラジーミル・マルティノフ(録音音源)
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ

何と言ってもイザベルゲランの美しさがこの作品の最大のポイント。12年のブランクを感じさせない!アレッサンドラ・フェッリも50歳を過ぎて舞台復帰してるけど、もともとが美しい人は年齢を重ねても美しいんだな…と世の真理を悟ってしまって…わたしは遠い目になりました(笑)ルグリも上品なエロスがあって、大人の情感ある切ない作品でした。




■第 2 部
「アザー・ダンス」
振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:フレデリック・ショパン、ピアノ:レデリック・ヴァイセ=クニッテル
アマンディーヌ・アルビッソン マチュー・ガニオ

見目麗しい。昨年夏のエトワールガラに比べると、二人はしっくり踊れてるような気がした。アマンディーヌは個性を前面に押し出す感じでもなく、きれいな人なんだけどわたしのなかで印象が定まらない不思議な人だ。



「マンフレッド」
振付:ルドルフ・ヌレエフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
マチアス・エイマン

素晴らしかった!2年前のガラで見たときは録音音源だったのですが、今回はオケでしたので、さらにパワーを感じて、胸打たれました。はあ…ため息がでる演技とはこれのこと。


「ジゼル」
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー/音楽:アドルフ・アダン
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ

来年のロイヤルバレエ来日公演でもこの組み合わせの「ジゼル」があるかな?と期待される二人。サラの暗闇に浮かぶ儚げな美しさが幽玄の世界でした。



「ライモンダ」より第 3 幕のパ・ド・ドゥ
振付:ユーリー・グリゴローヴィチ(プティパに基づく)/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ
とにかく二人がラブラブで(笑)もお、かわいくてしょうがない!コジョカル&コボー夫妻もそうですが、パートナーシップは舞台に如実に反映されるなあと思います。





■第 3 部
失われた純情 「いにしえの祭り」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:リヒャルト・シュトラウス
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ 
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ
素晴らしい。アッツォーニとリアブコ夫妻も強固なパートナーシップで、ひとりひとりも素晴らしい表現力のダンサーであるのに、二人で踊り始めると、息を呑むドラマが展開するというか…圧倒される。しかも、見るたび毎回!



「シンデレラ」
振付:フレデリック・アシュトン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
コジョカルが激甘い雰囲気で、もうキラキラキラキラしていた!妖精?妖精なのかな…。


「オールド・マン・アンド・ミー」
振付:ハンス・ファン・マーネン/音楽:J.J.ケイル、イーゴリ・ストラヴィンスキー、ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト(録音音源)
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ
コメディタッチな前半とシリアスな後半。正直、後半は照明が消えるたびに(演出)終わるのを待ってしまうほど長く感じてしまって…


「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフ
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン
正統派パリの炎という感じ。テクニックを過剰に強調しないのに、盛り上げるところはしっかり盛り上げる。シムキンくんを初めて見ましたが、観客の心を掴むのがうまいなあ。



■第 4 部
白鳥の湖」第 2 幕より
振付:レフ・イワーノフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ウリヤーナ・ロパートキナ ダニーラ・コルスンツェフ
やはりわたしには「白鳥」の2幕は退屈。男性にまったく目がいかないような、強烈な個性をもったロパートキナ、マリインスキーの来日公演「白鳥」は彼女の出演日はチケット完売しているので、ここで見られてラッキーという気持ちです。


「トゥギャザー・アローン」
振付:バンジャマン・ミルピエ/音楽:フィリップ・グラス、ピアノ:レデリック・ヴァイセ=クニッテル
オレリー・デュポン エルヴェ・モロー
デニムに白Tシャツ、タンクトップでも見目麗しい。作品については残念ながらあまり記憶に残っていない。。


「オネーギン」より第 1 幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アリシア・アマトリアン フリーデマン・フォーゲル
11月に来日するシュツットガルトの組み合わせ。この二人ではない公演日のチケットを買ったので、「ここで見られてラッキー」再び。


ドン・キホーテ
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
ヴィエングセイ・ヴァルデス オシール・グネーオ
最後に大盛り上がり。女性のヴァルデスは美しく華もあるし、テクニックも秀でていて、これからまた違う公演で見る機会があればいいなと思いました。


感想を書くまでに数日あけてしまったので記憶が曖昧になり、テンション低くなってしまった…。見た直後の興奮交じりのほうが楽しい感想になったのになあ。

初めてのバレエフェスは、世界中のトップクラスのスターダンサーをいっぺんに見られる贅沢にクラクラしました。とくに第2部のパリオペ、パリオペ、ロイヤル、ボリショイの現役プリンシパルダンサー連打には、「こんなことが現実のことであるとは…」と信じられない気持ちになって泣きました(笑)本当に楽しかったです。
主催のNBSツイッターYouTubeチャンネルにはダンサーからのメッセージやカーテンコールが紹介されてるのもうれしいです。