上半期のベスト

いつのまにか今年も半分ですね。
2015年上半期に映画館で見た映画は72本でした。3月まではそんなに見てなかったのですが、暖かくなってきた4月から活動に勢いがつき、GWはイタリア映画祭、6月はEUフィルムデーズで安く(520円)、普段は見られない(ほとんどの作品が日本では劇場公開されてない)作品をかけてくれたので調子に乗って通い、月末にはフランス映画祭と、一日に2本見ることも当然のようにこなしていたら、とうとう体調を崩しました。映画疲れだと思います。

以下、ベスト10と次点の作品です。カッコ内は監督の名前です。二番館(新作の封切館よりも少し遅くかける映画館)でも見ているので、公開年が今年ではない古いものも含みます。

『雪の轍』を筆頭に、静謐で丁寧な描写、音楽と画面の感情が深く結びついているものが好きなようです。今まであまり映画を見てこなかったので自分の好きな傾向も知りませんでしたが、半年いろいろ見てようやく気づきました。テーマが良くても音に無神経な映画には厳しい。

イタリア映画祭で見た4本(生きていてすみません!、神の恩寵、人間の値打ち、いつだってやめられる)がどれも面白かったのに、日本公開は未定で残念です。

上記の作品のうちで、これから公開されるのは『ティンブクトゥ』です。マリ共和国の北部をイスラム武装勢力が占拠した1年間に、実際にあった事件を元に作られた映画です。楽しい娯楽作品ではありませんが、よい映画なのでたくさんの人が見てくれるといいなと思います。
『雪の轍』はただいま上映中です。3時間16分と長めですが、見た後に絶望しますが、とても好きな映画です。トルコのカッパドキアの風景、洞窟ホテルの暖炉の明かり、薪が爆ぜる音、シューベルトピアノソナタ、緊張感がある会話、どれもこれも完璧にパッケージされていて、その完璧さがむしろつらい映画です。苦しいけど、うっとりする。

演技が素晴らしいと思ったのは『タンジェリン』のLembit Ulfsak(読めない)(エストニアの名優だそう)、『フォックスキャッチャー』のスティーヴ・カレル、『テロ、ライブ』のハ・ジョンウ、『雪の轍』のハルク・ビルギネルです。