女とピアノ@Shibuya duo

22(水)小谷美紗子&奥華子「女とピアノ」に行ってきました。

今回のライブの記念にふたりのグッズを作ろうと相談してマトリョーシカを限定14個販売したのですが、ライブが始まる前に、出来上がったマトリョーシカを見てはしゃいでる二人の様子やリハーサルの動画がスクリーンに映しだされました。新しい試み。

小谷さんのセットリスト

  1. 手紙
  2. 嘆きの雪
  3. who
  4. 雲のように
  5. 街灯の下
  6. こんな風にして終わるもの
  7. 青さ
  8. universe

アンコールはふたりでステージに登場、お互いの曲を演奏&歌。
奥華子小谷美紗子の「見せかけ社会」、小谷美紗子奥華子のデビュー曲を。


奥華子さんはデビュー前から小谷さんのファンで、ファーストアルバムで衝撃受けて以来、アルバムが出るたびに自分で必ず買いにいく唯一のアーティスト。尊敬しすぎて、共演したいだなんて考えたことがなかった。と、一曲終わるごとに小谷さんの楽曲との出合いからラジオ共演などエピソードを交えつつ小谷愛を語る。…あれ?この風景どこかで見たことあるぞ…田渕ひさ子ふたたびなのか…今夜も「夢叶うライブ」なのか(笑)


で、小谷さん登場の自己紹介が「なんだか…華子ちゃんにとても愛されてる小谷美紗子です」…うわぁ!この流れも既視感あります(笑)!!!愛されてる確信のある小谷さん…。田渕ひさ子奥華子で「小谷美紗子を語る夕べ」とかすればいいんじゃないかな…。ぜったい行くけど。


アンコールでお互いの曲を選ぶとき、小谷さんは貰った奥さんのベストアルバムや自分でもいろいろ曲を買って聴いてみて「わたしもデビュー前にこういうこと思って書いてたなあ、そしてその気持ちは今もある」と選んだ曲がたまたま奥さんのデビュー曲だったと。「素晴らしい曲だと思います」との言葉に、感激のあまり膝からくずおれる奥華子(笑)

奥「嘆きの雪の前にわたしのために歌うと言ってくれたことも、ほんとに感激しました!!…ファン方、ごめんなさいね…。でもわたし小谷さんの連絡先とか聞いてませんから!サインももらってません!小谷さんは私にとってそういうんじゃないです。もう、なんなら二度と会えなくてもいいです!」と(笑)
この「二度と会えなくてもいいです!」がね、すっごくわかる!!あまりに幸せすぎて、もう十分、生きていけますから!これ以上は受容できませんので!!!という「こじらせた」ファンの気持ち…。


奥さんが「小谷さんの何が好きって、信じられることです!小谷さんが言うなら、そうだと思える。いつも言葉を慎重に選んで、表現にまったく嘘がないから信じられる。こんなに信じさせてくれる人はほかにいない」と言ってて、ほんとそれ!ってなった。

アンコールのときに、奥さんが「皆さん楽しんでくれましたか?」と客席に声かけて、まあ満場イエーイ!ってなるよね?こういうのはライブのお約束だし。そうしたら小谷さんが「待って!こういうときに(首を横に振って)ううんってなってる人を大事にしなきゃ。私はそうやって生きていきたいの」って言ってて、衝撃受けた。
これを言ってるときの小谷さんは客席を満遍なく眺め回して「ううん」ってなってる人を探してた。こういう思考する人だから信頼しちゃうんだよ!端から見たら盲目的かもしれないくらい小谷さんを信じてしまう。と、また泣いたわ。

実際、奥さんの本編最後の曲が「みんな一緒に!」という手拍子とハミング強要ソングで、「知らない人も適当でよいから!」とは言ってたけど、わたしはそういうノリがかなり苦手なので、うううツラい…肩身が狭い…となったんだけど、最後の小谷さんの言葉に救われた。


久しぶりだった「雲のように」は、「華子ちゃんが私を好きでいてくれるように、自分にもとても尊敬しているアーティストがいて、そういう人が落ち込んだときに、自分なら何ができるか、少しでも助けになりたい気持ちを曲にしたもの」、と。わたしは涙の塩分で頬がかゆくなるくらい泣きました。

「嘆きの雪」が15歳くらいに書いた曲というの、いつ聞いても衝撃うける。あんなねじれた感情をあんな言葉で、あんな旋律で思春期に歌える、作れるものなの?と。
やはり特異なアーティストだ。ひさ子ちゃんや奥さんが熱を持って小谷さんのことを語るのを見て、あぁ皆もそうだったんだーと思ったことは、小谷美紗子の代わりになるミュージシャンはいない。ファンにとって置き換え不可能な位置に小谷さんはいる。ほかの誰も与えてくれない言葉を小谷さんは綴っている。聴くたびにハっと驚くような、視界が明るくなるような気分にしてくれる。
この日は優しい歌を選曲したとのことで、心にしみてしみて滂沱。そしてわたしの邪気を祓ってもらった気がしましたよ…。