エトワール・ガラ2014 プログラムA

★第一部
・「ジュエルズ」より “ダイヤモンド”
振付:ジョージ・バランシン、音楽:P.I.チャイコフスキー、出演:ローラ・エケ&オードリック・べザール

・「マノン」第1幕より デ・グリューのヴァリエーションとパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン、音楽:ジュール・マスネ、編曲:レイトン・ルーカス、出演:イザベル・シアラヴォラ&フリーデマン・フォーゲル

・「白鳥の湖」第2幕より アダージョとヴァリエーション
振付:ルドルフ・ヌレエフ、音楽:P.I.チャイコフスキー、出演:アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ

・「マーラー交響曲第3番」より
振付:ジョン・ノイマイヤー、音楽:グスタフ・マーラー、出演:シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

★第二部

・「3つの前奏曲
振付:ベン・スティーブンソン、音楽:セルゲイ・ラフマニノフ、出演:ドロテ・ジルベール&オードリック・ベザール、ピアノ:金子三勇士

・「月の光」 *世界初演
振付:イリ・ブベニチェク、音楽:クロード・ドビュッシー、出演:エルヴェ・モロー、ピアノ:金子三勇士

・「オネーギン」より“鏡のパ・ド・ドゥ”
振付:ジョン・クランコ、音楽:P.I.チャイコフスキー、編曲:クルト=ハインツ・シュトルツェ、出演:アマンディーヌ・アルビッソン&フリーデマン・フォーゲル

★第三部

・「アルルの女」より
振付:ローラン・プティ、音楽:ジョルジュ・ビゼー、出演:シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ

・「イン・ザ・ナイト」
振付:ジェローム・ロビンズ、音楽:フレデリック・ショパン、出演:イザベル・シアラヴォラ&バンジャマン・ペッシュ、ドロテ・ジルベールマチュー・ガニオ、ローラ・エケ&エルヴェ・モロー、ピアノ:金子三勇士
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/14_gala.htmlより

当初発表されていたマチアス&オブラスツォーワ、アバニャートの3人が出演できなくなり、それぞれの代わりにシュツットガルトのフォーゲル、パリオペのアマンディーヌとエケが出演。
わたしは「マーラー交響曲第三番」をライブビューイングで4回も見ちゃったくらい好きなので、アバニャートが踊る予定だった「夜」見たかったなー。

しかし楽しみは他にもあります。ハンブルクのリアブコとシルヴィアは大好きなダンサーだし、しかもマーラー踊るし、あと産休明けのドロテも非常に楽しみにしておりました。

そうして期待通り、いやそれを上回るシルヴィアとリアブコのマーラー「愛が私に語るもの」でした。だって…幕が開いて、地上の始まりの朝焼けみたいな赤い照明に、すっくと立つシルヴィアの影が浮かんだときから、涙で視界が霞む事態…。期待しすぎ!高まりすぎ!そのあとずっと泣きっぱなし!二人は愛に満ち満ちた踊りをしてくれて、多幸感で涙があとからあとから出てきましたよ。はあ…ほんと見られてよかった…。うっとり。

その前の3作品が、ペアのケミストリーとかハーモニーとかまったく感じられなくて、かなりがっかりしていたので「助かった」とも思いました。。。

とくに「白鳥」はなんでやったんだろう??と疑問なくらい不思議なものを見てしまった感…。つい先日大画面でジョゼとアニエスという当時の鉄壁ペアの「白鳥」を見た残像があるので、マチューは細部を流してしまってる印象があったし、アマンディーヌは…来日公演の「ドン・キホーテ」森の女王でも感じたけれど、こういう王道クラシックが似合わない。衣装のチュチュからして、しっくりこない。「オネーギン」のタチアナのほうがずいぶん良かったです。衣装のロングフレアーも似合ってたし。似合う役を踊っていけるといいなと思いました。


「3つの前奏曲」、3月に出産したドロテの完全復活。出産前より身体がシャープになってる印象さえありました。「月光」はエルヴェのソロ。ピアノの美しい旋律と添うロマンチックな作品でした。

アルルの女」、ノイマイヤーダンサーである二人がプティ作品を踊る。第一部のマーラーとは打って変わって気持ちの通じ合わない男女の話。リアブコの狂気を宿した眼がいい!これは客席からの反応も(「月光」の次に)大きかったです。

最後の「イン・ザ・ナイト」はしっとり、しみじみ、あぁいいもの見た…とこの日の満足感を与えてくれた作品でした。3組のパートナーリングも良かった。とくにエケとエルヴェが素敵だった。エケは来日ツアー公演のときもそうでしたが、いつもエレガントで静謐な踊りをしますね。スジェなのもったいない…早くプルミエールになれるといいなあ。

と、満たされながら拍手をしていたら、突然BGMがマンボ調の陽気な音楽になって、そのままカーテンコールでした。余韻、まるでナシ(笑)宝塚並の余韻ぶった切りで笑いました。