はじめの1回転

若いころから生理痛もほとんどなく、PMSも眠気と食欲増進があるくらいなのだが、年に一度くらいの間隔でPMSが重い。それが今週きた。浮腫みがひどく、膨張し、身体の表面がぶよぶよして輪郭が曖昧になっているような感覚があるくらい。吐き気もしたので早退しちゃったよ。あとは昏々と寝た。寝起きがまた最悪で、深海から陸上に這い上がってきて、はじめて感じる重力に節々が痛くなるような。

それでも今日は午後からいくぶん復調し、洗濯もできたし、映画も観たし、料理をして集中力が戻りつつある。動き出したら回っていくこと、わかっているのに始めの1回転ができない、それが不調そのものなんだと理解している。無理に回したくもないし、とことん沈めば浮いてくるのだし、と思って毎回ちょっと待ってる。

そんな不調のなか、とても久しぶりに「予習以外」の読書をした。この1年はバレエや舞台、映画の予習のために原作を読むことはあっても、読むことそのものを楽しむことが少なかったので、ものすごく新鮮な気持ちになった。ようやく生活が落ち着いた…という不思議な安堵感さえあった。

そうして読書は孤独な体験だ…ということを思い出した。映画だって舞台だって個人で感じることは違うし、誰が隣にいようとも結局はひとりで観てることになるけれど、小説のなかのひとりぼっち感や、文字で読んでいるにもかかわらず感じたことをそのままそっくり言葉に置きかえることは難しいこと、さらに本の世界から我に返ったとき途方に暮れる感じは、ほかの娯楽とははっきり区別される類のものだと思う。

やはり私の場合は本を少しずつでも読み続けていかないと生活が乱れる。いや、生活の乱れを象徴するものが本を読めてない状況かしら。どちらでもいいけど、読む時間を意識しておこう。


私のなかの彼女

私のなかの彼女

これは「黒角田」です。心臓滅多刺し。不調のときに読むなって感じだけれど(笑)、でもわたしはこういう角田さんの作品が大好きなのです。