パリ・オペラ座バレエ「椿姫」3/20@東京文化会館

バレエを好きになってちょうど1年。そのきっかけになったのは3作品あり、まずマシュー・ボーン版「Swan Lake」をお友達が勧めてくれてDVD見たら大感激。その後各種「白鳥」を見比べ、つぎに「椿姫」でその美しさに頭がじんじんし、「マイヤリング」で打ちのめされてバレエ沼にずぶずぶ足をとられた1年だったのです。

テレビで映像観てるだけで頭が痛くなるほど感激した「椿姫」、まさか本物の舞台を見られるなんてね…!!すごいことだ。しかし、感激のあまり言葉が出てこないのです…。感想書こうとすると余計なことをしたくなる(宿題しなきゃと思うと掃除したくなるアレ)。なのでとりあえずキャスト書いておきますね…。ちょっとずつ感想つけたすかも。

そうだ、新潟行ったりして書きそびれていましたが、カールさん!15日土曜日の公演中に怪我をして1幕途中で降板したという話に驚きました。。。あああ…怪我しないので定評のあるカールさんが…(涙)その後の様子は何もわかりませんが、はやく快復されること祈っています。


「椿姫」
音楽:フレデリック・ショパン、振付・演出:ジョン・ノイマイヤー、美術・衣装:ユルゲン・ローゼ、照明:ロルフ・ヴァルター、ピアノ:エマニュエル・ストロセール、フレデリック・ヴェス=クニテール、指揮:ジェームズ・タグル、演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

★3/20のキャスト
マルグリット:オーレリ・デュポン、アルマン:エルヴェ・モロー
デュヴァル氏(アルマンの父):ミカエル・ドナール(ゲスト・エトワール)
マノン・レスコー:エヴ・グリンツテイン、デ・グリュー:クリストフ・デュケンヌ
プリュダンス:ヴァランティーヌ・コラサント、ガストン:ヴァンサン・シャイエ 、オランピア:レオノール・ボラック、公爵:ローラン・ノヴィ、N伯爵:シモン・ヴァラストロ、ナニーナ(マルグリットの侍女):クリスティーヌ・ペルツェー
マノンの求婚者:アレクシス・ルノー、ファビアン・レヴィヨン、ヤン・サイズ
マルグリットの求婚者:アルノー・ドレフェス、アントワーヌ・キルシェール、フランチェスコ・ヴァンタッジオ

<追記>
主演の二人を生で見るの初めて。熱心なファンがついてるのがわかる、さすがのスター性、美しさ、踊りの上手さでした。ただ初日で、わたしが舞い上がりすぎて(笑)あまり覚えてないのです…お恥ずかしい…。

どのくらい舞い上がっていたかと言うと、冒頭ナニーナがオークション会場(マルグリットの部屋)を訪ねて、帽子を手に取り、肖像画をじっと見つめる、あのシーンだけで、涙で目が霞んだ!というくらいの振り切れ方です。始まって1分くらいだよ!そこからほとんど涙目だったため見えやしない!(馬鹿)

今回わたしはマノン役のエヴさんが見たくて、彼女が出る日のチケットを買い足したのもあり、この日はエヴさんばかり注目してしまいました。だからもうね、マノンがでてくるたびに涙腺決壊!表情ひとつひとつに凄みがあって、心がえぐられました。狙ったものはすべて手に入れる貪欲な目つきで誘惑し、たくさんの男たちに傅かれ享楽に溺れるマノンが「所詮はアンタもそういう女でしょ」と言わんばかりにマルグリットを挑発する。それに対して「わたしは真実の愛を求めている」と抗うマルグリット。この二人の女性の「攻防」はこの作品の核ですよね。今回の来日公演ではマルグリットが3人とも熟練のエトワールたちなので、それに負けない「濃ゆさ」が必要だなと思いましたが、エヴさんは申し分なく素晴らしいマノンでした。

DVDとは演出が違うのかな?と思ったところは、黒PDDのあとのマノンのところ。3人の求婚者のうち半裸の人がいるのと、マノンが退場するまえにマルグリットと同じスリップ姿になる。あと3幕の黒PDDのあとマルグリットが残していった黒レースのストールをアルマンが舞踏会でオランピアに巻いてあげようとするところ、DVDだとそのままドレスの肩ひもに巻かれてますが、公演だとオランピアは「何よ、これ?」て感じで払いのけます。こっちのほうが自然だと思いました。プレゼントにしては使用感あるストールをそのまま受け取る女じゃないだろうオランピアは!

DVDだと主演二人の表情をとらえてることが多いので、脇の演技はカットされます。舞台を観て初めてアルマンのお父さんが1幕ずっと張りだし部分に居て、回想シーンに立ち会ってることを知りました。

そうです、DVDを見すぎて残像甚だしいのがわたしの問題なのですが、一番の違いはガストンのキャラクター!カールさんのチャラチャラぶり(笑)大好きなので、シャイエのガストンはごく平凡なイイお兄さんという感じで拍子抜け…。登場シーンもカールさんは手当たり次第に女性を口説こうとしてるのに(それもどうなのw)、ご挨拶程度なんだものー。コラサントのプリュダンスもドロテと比べちゃうと薄味…て思ったけど、時間が経つにつれ…なんというかカールさんとドロテが特殊だったんだな!て思うようになりました(笑)映像に残してくれてありがとう…。

N伯爵は映像と同じヴァラストロ!先週の「ドン・キホーテ」でも大活躍でしたが、こちらでも良い演技しますね…哀切漂う、報われないけどひたすらに優しいN伯爵でした(涙)シャンゼリゼでマルグリットに会ったときの目がねえ…。「なぜマルグリットはこの人を愛せなかったのかと!N伯爵こそ心底愛してくれる人よ!目を覚ましなさいマルグリット!」と、明後日の方向に思考が飛ぶくらい応援したくなります。