Before Midnight

都内で上演中のリチャード・リンクレイター監督作品「Before Midnight」を見てきました。これはイーサン・ホークジュリー・デルピー主演の1995年「Before Sunrise」、2004年「Before Sunset」に続く3作品目。

アイヒマン裁判の映画を見に行った渋谷で予告編が流れ興味を持ち、そのあとちょうどツイッターのお友達が「必ず予習してから見るように」とツイートしてたので、前2作をレンタルしました。

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男女ふたりの会話、しかも長回しで展開される映画を初めてみたかもしれません。次から次へと話題は変わり、その会話は知的でウィットに富んでいて、エキサイティング。とても自然に見えて、実はものすごく練られた脚本。これはすごいわ…と前2作の素晴らしさに感じ入って今回の「Before Midnight」を見てきました。

出会いから19年経った映画の中のふたりはどうなったのか。冒頭から主演ふたりの相変わらずの延々と続く会話にわくわくしました。あぁ、このふたりはまだエキサイティングな言葉を交わし合ってる!とニヤニヤしながら、それが最後まで続きました。

そうして終わった瞬間、「時間」という普段は気にも留めてない、概念でしかないようなものだと思っていたものが、大きな口を広げてわたしを飲みこみました。つまりは、ふたりの間に流れた時間に圧倒されてしまったのです。映画のなかのふたりなのに、わたしにとってもはや映画のなかのことではなくなっていた。ふたりの仕草ひとつひとつが真実にみえていた。感動、という言葉ともうまく結びつかない、なんだかわからない、ただただ圧倒され、かき乱されて、涙が止まらず、いまでも思い出すと泣いてしまう。とてつもない映画を見てしまった。

ラブストーリー食わず嫌いな人にも見てほしい。必ず1作目から見てほしい。
そして時間に飲みこまれてほしい。