December's Calling @ 赤坂BLITZ

小谷さんが出演するイベントに行ってきました。新譜がでて初めてのライブなので新曲を期待していましたら、大好きな曲を歌ってくれて、まさにクリスマスプレゼントなライブでした。

このイベントのメインは若いミュージシャンのようで、客席は小谷さんのソロライブよりもずいぶん若い子たちで埋まってました。おお、久しぶりのアウェー!小谷さん燃えてるんだろうな…(笑)と思いつつ聞いてたら、わたしまで血が巡って身体が熱くなってきました。

  1. The Stone
  2. 雲のように
  3. アイシテルノニ
  4. 消えろ
  5. 正体
  6. universe

ほの暗いステージに登場して一礼。無言のまま「The Stone」、「雲のように」を続けて。「雲のように」はかなり久しぶりに聴いた。

MCで珍しく曲紹介をした。「アイシテルノニ」はエゴの愛をぶつけまくってる愚かな女がなんとか立ち直ろうとしてる歌、「消えろ」は本当の愛の歌、「正体」は国同士の争いや領土問題などをテーマにした歌、ですと。
「はじめましての方が多いだろうから」曲紹介をしたのかな。「若いミュージシャンにこうして声をかけてもらうのはとても嬉しい。リラックスして…聞けるような歌詞ではないかもしれないけど(自虐w)、リラックスして聞いてください」と続けて3曲。

「弱ってるときにこういう歌がわたしも含めて必要だと思って書いた曲」と紹介した「universe」の前に、「震災以来ずっと「3月のこと」を歌ってきたけれど、それ以外にも弱ってる人に向けた曲ができたので、そういう歌をこれからたくさん歌って行きます」と小谷さん。たしかに、「3月のこと」ができてからこの曲を歌わない初めてのライブだった。前進してるんだなって思った。

今日の選曲は、前半に小谷さん初期の「心に楔を打つ」ような強い言葉の曲と、新譜からの他者を赦す、包み込む優しい言葉がつまった曲とコントラストがあった。それでも小谷さんの曲は10代に作ったものからずっと一貫してる「青くささ」がある。「正義」とか大きな、高いところから言葉を発する「青さ」でなく、ひたすらに他者に、自分に真摯でありつづけようとする姿で示されるもの。小谷さんの歌を聞くと、自分のずるいところが浮き彫りになって恥ずかしくなるのだけど、でも触れたい。美しいものに思わず手を伸ばしてしまうような感覚で、求める歌です。

universe」は去年の新曲制作企画ライブのときから好きになった曲だけど、今日あらためて完成した弾き語りを聴いたら、その優しさにあとからあとから涙がでた。この歌の優しさは「うつむく者にも 光あれ よれよれの道を 照らすように うつむく者にも 風よ吹け よれよれの頬 涙 弾くように」の部分に集約されているけれど、実はわたしは「無限に広がる この暗闇は すべて すべて すべて わたしのもの」という歌詞がとても好きで、ここに小谷さんの底抜けの優しさが詰まっているような気がしてる。

目を瞑って見える暗闇はいつでもどこでも出合える、ひとりきりになれる場所。外界ではどんなに居場所がなくとも瞳を瞑れば静かな場所へ行くことができる。

わたしはつらいとき、暗い感情を抱くときに自分のコンプレックスと直面してしまう分、自分らしさが出ると思ってるのだけど、だからこそ「イヤだ」と思う根っこを見極めたくて、じっと考えることが多い。小谷さんのいう「すべてわたしのもの」という言葉に、それがとてもリンクした。コンプレックスや黒い感情に対峙する時間は誰にも奪われない、わたしだけの時間だと。ネガティブなことかもしれないけど、その時間こそが自分を知り、他人を知るきっかけであり、愛する第一歩になると信じてる。

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