セデックバレ

日本が統治(占領)していたころの台湾が舞台の映画「セデックバレ」を観てきました。
台湾の原住民セデック族が、日本の民族同化政策や侮蔑的態度に抗って武装蜂起した「霧社事件」を基にした物語で、セデック族マヘボ社の頭目モーナ・ルダオが主人公。第一部「太陽旗」は清国から日本へ統治権を移譲されてから武装蜂起するまで、第二部「虹の橋」は日本軍の鎮圧、それぞれの結末を描いています。

合計鑑賞時間4時間半!途中休憩が20分あったので、5時間も映画館にいた(笑)つ、疲れたよ…。

セデック族は狩猟民族で、敵の首狩りをすると「成人男性」の証である刺青を顔に施す。そんなこんなで映画の8割が殺戮シーンだった…首が飛ぶ飛ぶ、血は噴き散る。。。ふだんホラー映画も戦争映画も観ないから、たまに目を閉じました…。

でもなんというのか…娯楽寄りというのかしら?殺戮シーンがマンガ風というか。ジョン・ウーがプロデュースに関わってるからか、アクションシーンがゲーム的なのよね。残酷さよりも華麗な手さばき感が強いというか…不謹慎だけども。それと主人公のモーナという人物像には「伝説のあの人」感がてんこ盛りなので、それも余計にマンガ風に思えた。だからモーナは最高にかっこいい(けど最後のあれやこれはしっくりこない)

テーマの割に政治的なにおいもほとんど感じなかったし、映画の中の「日本人」像に納得できたのも大きいのかな。見る前はあまり情報を入れないので、こんなに日本人キャストがいるなんて知らなかったわ。それなのに単館系でしか上映しないなんてもったいないかも。まあ、でも殺されるは主に日本人なので、見ていてあまり気持ちのいいものではない、のはたしかです。ぐぐったら霧社事件で殺された日本人は140人、鎮圧の戦闘で死んだのは味方になったセデック族を含めて40人ほどで、映画だと1000人ぐらい日本人がばっさばっさと殺されてるので…あくまでこれは「映画」なんだと思います。

景色が素晴らしくて、セデック族の歌もよくあってた。セデック族出身で勉強して日本の警官になった二人が板ばさみになり、葛藤してる様子がいちばん印象に残ってる。とくに夫婦のほうはセデック側として武装蜂起に参加したのに、和服で自害する。あぁ…。

土曜日のトークショーじゃないけど、やはり多言語、多民族だいじよ。なんでもかんでも同化したらあかん。違うからこそ面白いんじゃないかっ。