今年もよろしくお願いします

新年恒例、山田風太郎「人間臨終図巻」の自分と同じ歳で亡くなった人の項目を読む。わたしは今年39歳、ラインナップはクレオパトラ蒲生氏郷パスカルルイ16世ショパンシャーロット・ブロンテ、横川省三、太宰治です。

個人的思い入れとして、蒲生氏郷会津を治めていたお殿様、いまの会津若松市のもととなる、地名を「若松」にしたり、黒川城を「鶴ヶ城」と名づけたのも彼です。39歳で死んでたのかあ…戦国武将だから早死にも仕方あるまい(病死らしいけど)。辞世の句が載っていたのだけど、それがかっこうよかった。

 かぎりあれば 吹かねど花は散るものを 心みじかき春の山風

あと太宰治、そっかそっか、彼よりも長生きできる可能性があるわけか。年上になっちゃう可能性があるわけか。

人間臨終図巻1<新装版> (徳間文庫)

人間臨終図巻1<新装版> (徳間文庫)

わたしが持っているのは古い版だが、新装版が出ているそうなので、こちらをアップした。


本での初笑いとしては岸本佐知子「なんらかの事情」を選んで大正解。若い頃、ファラ・フォーセットのサーファーカットが大流行し、真似してみたもののブロウがうまくゆかずことごとく内巻き、枝毛が増えて検非違使になったエピソードが好きだ。検非違使(笑)!たぶん老懸のことだと思うが、老懸なんて言ったところでピンとくる人は稀だろうし、ビジュアルで浮かぶならむしろ検非違使!こういう言葉選びのセンスが秀逸なのは、やはり翻訳家ならではなのかしら。

そのほか、ひらがなの野望とかSF化してる正月行事など、ステキな話がたくさん。

なんらかの事情

なんらかの事情