レ・ミゼラブル

先週立川のシネマツー極上音響でレミゼファンの方々と初めて見て、そのあと水曜日に近所のシネコンで夫と一緒に、あわせて2回観ました。

以下ちょっとした感想をネタバレ全開で。順番ごちゃごちゃです。途中に入れた動画は撮影舞台裏。セットやメークなど、これもネタバレ全開なので、映画をすでに見た方だけにおすすめします。



まずはじめの海の中のコポコポ音が耳に圧力感じて息苦しいわあ…やっと地上にあがってジャ、ジャ、ジャーーンと始まった時点ですでに鳥肌(早い早い)。三色旗が泥だらけで踏みつけられ、そしてジャベールとの権力・上下関係とバルジャンの怪力を示すための「旗もってこい」シーンに涙。わたしはこういう理不尽な暴力許せないのよおー。しかも「怒り」で泣くタイプなので。レミゼは理不尽詰め合わせな物語りなので、ずーーーーっと怒りながら泣くはめになるんですが。

でもラッセル・クロウの顔がクマっぽくて可愛くて…ジャベールがバルジャンに「名前覚えておけ」って言ってる場面がなんか…「オレのこと忘れないでね///」って曲解したくなるのですが大丈夫ですかわたし。

ラッセルさん声渋かったなあ。演技も素晴らしかったなあ。下水道でマリウス助けてるバルジャンに「動くと撃つぞ」と言ったあとの「なんてつまんないこと言っちゃったんだろう…!」と恥じ入るような、そしてそう思った自分自身へショックを受けているかのような複雑な表情をしてて、アイデンティティ崩壊→自殺までの流れをスムーズに受け入れられた。

ジャベールの行動で一番の号泣ポイントはガブローシュにアレをあげるところ!なんなのーーーあの演出ーーー!!今思い出しても涙湧いてくる…うおうおおおお(嗚咽)ガブローシュはほんとにかっこいい革命家であるからして、この演出自体、役柄への敬意が表れているよな。トム・フーパー監督、ありがとう。ファーストアタックのあと学生たちが意気消沈しそうになったとき、民衆の歌をガブローシュが歌い始めて鼓舞するところも、彼への敬意をこめた演出だと感じた。

ヒュー・ジャックマンはほんとにバルジャンが実在してるみたいだったなあ。容貌も囚人から実業家、優しいお父さんと変遷するのも見事。リトルコゼットとのシーンなど愛が滲みでてた。もちろん歌声もよし。こんな大役を演じきれる器の大きな俳優さんなんだなあと思った。

アン・ハサウェイ…ファンテーヌのシーンもずっと涙出てたな…とにかく悲惨で。歌声も切なくて、素晴らしかった!死んだときに「あ、ほんとに死んだ」と思ったもの(なんちゅー表現)。土台があんなに美しいのに、あそこまで痛々しい姿になれるんだから、女優さんてすごい……。

エディ・レッドメインのマリウスはちゃんと革命やってるマリウス!!なんか色ボケしてる優男のイメージが強くて印象に残らないマリウスが、あんなにかっこいいなんて!!アンジョルラスと路上でアジってる場面は凛々しかったし、バリケードで「火つけるぞ」と言ったときの、狂気を孕んだ目!おばちゃんはクラクラしました。歌声も素晴らしいの!

色ボケソング「A Heart Full of Love」をこんなに純粋な気持ちで聴ける日がこようとはね!アマンダのコゼットも超かわいいし、透明感のある美しい声と響きあってたねえ。蝶々…奇跡のような美しいシーンだわ。

そしてそれをこっそり見つめるエポニーヌ…サマンサ・バークスレミゼ25周年記念コンサートでもエポニーヌだったので、DVD繰り返し観てるわたしとしては余計に感情移入。マリウスがコゼットの家を探して〜とストーカー炸裂してるのに、触られた腕に意識がいって嬉しそうなのとか、コゼットに会えるとわかって浮かれとんきちになってるマリウスと手を取り合ってグルグル回ってるときの笑顔とか、すべてが、す・べ・て・が …切ない(号泣)!いい顔してるんだよなあ…。

コルムさーーーーーん!司教さま超すてき!最後のシーンなんて本物の天使…神の使いだと思ったわ…あんなん反則よ…滂沱滂沱の涙…うぶぶぶと嗚咽しそうになるのをハンカチを口に当てて止めたわよ!もう!

そして最後に我らが(?)Army Officerハドリー・フレイザー!!公開前に小出しされてた動画でマリオっぽい口ひげ見たときは少なからず戸惑いを感じましたが(笑)、もう隊長さん、素晴らしい演技と歌声で、口髭でクスリとも笑う隙無し!!なんなのあの切ない、悲しげな瞳の演技!声がいいのはわかってるのよ、そんなの十分知ってるの。でもでもでも、素晴らしかったのよーーー。これ贔屓目じゃないよーー。全然知らない人でも「あれ?この人…」ってなるはずよ!

「若者よ、命を無駄にするんじゃない」とハドが素晴らしい目の演技を発揮して諭すシーン、実は監督が「この紛争で対峙してしまったアンジョルラスと隊長さんだけれど、二人は幼馴染で小さい頃からお互いを知ってる」という裏設定をして演技をさせたと知り*1、そんなの聞いたら涙止まらんよおおおお。


これはあと数回映画館に通います。展開がとても速いので158分、あっという間です。お正月に見るにはちょっと辛気臭いのかもしれないけれど、最後の最後は希望があるから、見たあと清清しい気分になると思います。一緒に行進したくなるはず。

*1:アーロンがインタビューでそんなことを言っている。5つ目の質問。http://thecraptacular.com/2012/12/caught-in-the-act-with-aaron-tveit/