中村一義デビュー15周年記念ライブ「博愛博2012」@日本武道館
わたしの2012年が終わってしまった…歓喜のうたとともに。
…いろいろと胸が詰まったライブだった。今日はいろんなことありすぎて頭が沸騰している。
わたしが中村一義のライブに初めて行ったのが10年前の、ここ武道館だった。まだソロ名義で、でも100sのメンバーとツアーに出た年のファイナルライブ。それまで名前は聞いていたけど、デビュー当時インタビューで「ライブはしない」というのを読んで、「けっ」と思っていたアーティストだった。
わたしは音楽家や表現者は聴衆の洗礼を受けるべきだと思っているから。その当時の中村くんのような、全部の楽器を弾いて、自宅でちまちまサンプリングして録音して自己完結。それで満足している音楽家に興味を持てなかった。ロック誌では「天才」と絶賛されていようとも。
でも徐々にイベントやフェスなどに参加するようになって、しっかりした腕を持つ同年代のメンバーを選んでバンド100sを作ったことが状況を劇的に変化させたんだと思う。いきなり全国ツアーやって、合間にアルバム収録してリリースして、またツアー後半戦やって武道館、というそのとき、わたしは猛烈に引き寄せられちゃったのね。あのライブは本当に、今でも思い出しただけで涙ぐむような、会場内がたぷたぷになるまで愛に溢れたライブだった。その後発売されたDVDを観るたび号泣するくらい…。
今回のライブは3組のバンドと中村くんが共演して互いの楽曲を演奏、そのあとに100sとしてライブをするという「お祭り」的なイベント。わたしの興味の範囲は狭いので、共演者の楽曲も知らず、正直楽しめるのかわからないと思っていた。中村くんの曲だけ聴きたいんだけど…と。
しかし実際は、中村くんの非凡さと声の唯一無二と100sの演奏能力の高さが際立った。中村一義のメロディとリズムと、そこに乗せる言葉選びはやっぱり全然違うんだよ。ドラムのトムくんとベースのヒロのリズム隊の緻密なリズム構築と安定感、すばらしいね。とくにトムくん、この10年のわたしが行ったライブのほとんどは彼が叩いているという理由で行ってるのもあるくらいなので、ひろみTrioのサイモン・フィリップスとトムくん以外のドラムを受けつけない体になったかと思うわ。にしても「ショートホープ」のドラム、あれ30代後半になるとつらそうだ(笑)
静かに燃えてる町田さんと音に飲み込まれたように弾く小野さんの二人のギタリストは本当に対照的で面白い。小野さんのマッドギタリストぶりが相変わらずかっこよすぎて泣けた!「ロックンロール」やってる二人は本当にかっこいい!もはや様式美となったお約束(笑)、小野さんの絶叫とマイクスタンド投げ(からのスタッフ走ってきて直すの流れ)をまた観られて嬉しい。(10年前は町田さんも少年のように燃えているがwいまは落ち着いてるん。今日もジャケットきてオサレだったなあ…ぽわわん。そしてますます細くなってたなあ…)
中村くんの楽曲をライブで再現できるのはこのメンバーしかいないんだよぉぉ。こんなの観たらまた100sの活動してほしくなるよーーーーー。もお!!どうしてくれる。中村くんがバンドを組んだ当時、ソロ時代からのファンのなかには「純粋な中村一義だけの音ではなくなった」ってガッカリした人もいたのかもしれないけど、でも100sでの中村くんはいつもいつも幸せそうな顔で歌ってたのよ。
ソロ時代の「永遠なるもの」「ここにいる」「君ノ声」などなど、聴くと涙というパブロフの犬反応な曲が聴けたのは本当に幸せ。冥土の土産になります。くるりの岸田さんが「ここにいる」が大好きで演奏してくれたのだが、でもあれはピアノの旋律が美しいので、池ちゃんのピアノ演奏で聴きたかった…欲張りな願い。
そして最後に「歓喜のうた」!!!!!!この歌詞なあ…中村くんの亡くなったおじいちゃんに向けた歌だと思うんだけど、いままで生きてそして死んでいったすべての人への歌だと思う。滂沱。第九も歌えて年末気分も高まりました…。
セットリスト、思い出せる分だけ。順不同。共演はBaseball Bear、サニーデイサービス、くるり、そして100s。前半3組は30分ずつ、100sでは1時間の計2時間半。