これは映画ではない

20年間の映画製作禁止を申し渡され、自宅軟禁中のジャファール・パナヒ監督の作品。http://www.eigadewanai.com/

映画は撮っちゃだめなので、カメラの前で脚本を読んでイメージを伝える監督。熱っぽく話し始めるけれど、ふとわれに返り「こんなことになんの意味が?」「映画ってのは撮ってみなければわからない。役者が思っても見ない表情をしたり、ロケ地自体が登場人物の心象をあわらしたりするんだ。こんな脚本を読んで言葉だけで伝えられるなら、なぜ映画を撮る必要がある?」と自分の企みに深い失望をする。

このシーンでぼろぼろ泣いてしまった。監督の表現することへの渇望が、言わなくてもいいようなことを日々ツイートしてる島国のぼんくら主婦(わたし)には重い。でもこう見せてることすらも監督の策なんじゃないかなあという気持ちにもなる。

撮影してるのは新年(ノウルーズ)の前の水曜日の、火祭りの日らしく、昼間からやたら火薬の音がするなあ、イランは発砲事件とかテロとかそうそうあるわけじゃなかろうに物騒な音が…と思っていたら、全部爆竹やら花火の音だった。夜には焚き火でファイヤーファイヤーしてたよ、街中で(笑)