最強のふたり

映画館で予告観たときから興味があったフランス映画です。実話を元に作られたそう。でもなんちゅーのか、ありがちな「お涙頂戴」ではなくて、介護者と被介護者という関係だけでない、Buddy映画ね〜。

音楽がとても素敵で、とくにピアノがよかった。*1ルドヴィコ・エイナウディというイタリア出身の、作曲家でもあるピアニストでした。ヨーロッパでは超有名らしい。去年来日公演もしてました。おぉ聴きたかったよ。

以下ネタバレです。




オープニングから時列が遡って、エンディングで少し時間が進む構成は、おお!なるほどね、という仕掛け。最後の最後、あれはちょっと余計な情報かと思ったけど、でもあれがないと、ほんとドラマチックすぎて、いい話すぎるのかな?でもそれでもよかったかも。

ダンスのシーンで泣いてしまったよ。フィリップはそれまで絵画、クラシック音楽、詩や文学や歴史など、そういう目や耳で享受できる芸術に造詣が深く博学であることをずーーっと観客に観せていて、あのドリスが踊るシーンでハっとさせたわけね、今までダンスやバレエなど身体性のある芸術やスポーツを取り上げてなかったことを。フィリップの「できないこと」をまざまざと、しかも無邪気にドリスは見せつけた。

みんなが楽しそうに踊るところを見たフィリップが何を思ったのか、って観客みんなが想像する。全く違う境遇でも気が合う、分かり合える幻想のようなものが一旦消えたような気さえしたのよねえ。でもそのあとフィリップがパラグライダーをして、で、別れたあとの、最初のあのドライブの真相がわかり、そこでの共犯関係が、オープニングと同じシーンであるのに全然違って見えるわけですよ。もぉー素敵すぎる!ぐすぐす鼻水出しながら映画館出たよ。

あと、この映画を見てこう思うのはちょっと変かもしれないけれど、周囲の人から「気難しい」と言われているような人でも、気が楽になる相手は必要で、誰とでも相性が合うわけじゃないんだから、そういう存在は貴重なわけですよね。で、ここからオカシイ本題なんだけど、わたしは職場の先生のことを思い出したのだった。

クセのある人で、相手によって態度を変えるようで、周囲から伝え聞く印象なども全然違って、たまにびっくりする、そんな無愛想なのか…?と。で、どこまで信頼されてるかはわからないけれど、気楽に話ができるだけわたしの存在意義はあるのか?と。最近ちょっとなかなか意思の疎通ができていないような気がして警戒してたんだけど、あぁこれわたしの態度ひとつで少し改善されるんじゃないのか?いつだって心が開いているときは、相手だって優しく接するのだ、そういうのは必ず伝わるから。というわけで、ドリスのまっすぐな態度から妙な教訓を得たのでした。