山口晃 望郷/TOKIORE(I)MIX

山口晃さんの絵を見るために、わたくし的超絶アウェー・銀座のエルメスに行ってきた。高級ブランドなぞデパートのテナントでさえ入ったことないというのに、ましてや入り口に人立ってる(!その人件費払えるってすごいっ!)路面店なんか生まれて初めて入ったぜ。が、しかし展示会場の8階に直行しましたけれどもね。ほんとうにご縁(興味)がないのう。

入り口で山口さんの文章による説明文をもらい、それを読みながらガランとしたフロアに並んだ電柱を眺める。これは立体作品の「忘れじの電柱」。つぎに床が傾斜した小部屋「正しい、しかし間違えている」、わたしは耳が悪いので、こういう平衡感覚をゆさぶるものがけっこうつらい(笑)クラクラしながら、でもアトラクション的な楽しさで鑑賞。「忘れじの電柱」設置のための設計図が興味深かった。

そして一番見たかった東京俯瞰図の「Tokio山水」。年代の違う地図とグーグルマップと、山口さん個人の記憶や思い込みをまぜこぜにして描かれた俯瞰図。まあ、緻密!緻密なのは見る前から知っているけど、見るとやっぱり「細かいっ!!」って驚く。

とても迫力あった。ずーっと眺めてたい!墨絵のなかで上野山、谷中霊園あたりだけ淡い桜色で、あのへんに暮らしている山口さんにとっての桜の名所は、やっぱりあのへんだよなと思った。新宿御苑は墨色だった。

ところどころに砲台つきの要塞が描いてあるのだけど、マクロスっぽいというかメカっぽいのも山口さんらしさ。ビルの上に屋根描いちゃうのも。年代と想像がごっちゃなので、豊洲にはさりげなく「新豊洲原発」なんて建造中のプラント4基くらい描いてあったりね。東京に絶対に作られないものがあるという皮肉だよねえ。浜松町の駅の大きな看板には「はまマッチョ」とマッチョ半裸の男性が描いてあったり(笑) そういうダジャレというか、ネタも緻密な絵から探しだす面白さ。

たのしかった!13日まで。

山口晃作品集

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すゞしろ日記

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