ピアノマニア

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ピアニストと調律師の映画…ぜったいおもしろいに決まってるわ!だって究極のオタクの話でしょ?(え?)と確信して観にいきました『ピアノマニア』…大正解!!もーーーほんとに良かった!

スタインウェイの調律師シュテファン・クニュップファーが世界有数のピアニストたちの無理難題に「ひぃー」ってなりながらも、研ぎ澄まされた感覚と技術で応えていく姿がかっこいい!

予告編でもあるように、ピアニストによって、曲によって、ホールによって、その日の気温湿度…とあらゆる条件が重なった上で調律していく仕事は、目には見えないけれど確かな感覚として受け取れる「音」、それだけを頼りに作業していくわけです。

登場人物の感覚の鋭敏さ、一音への執念、音楽への畏怖、それらを越えて音楽を楽しむ、そういう気持ちがビシビシと伝わって、ぼろぼろ泣いてしまったよ。ピエール=ロラン・エマールとのやりとりは、静かだけれどエキサイティング!

「低音から高音まで均一性を求めているピアニストが弾いたあとのピアノは、すぐわかる。自分が調律したときよりも音が均一になってるから。ピアニストの音がピアノに刻印されるんだ」とか、ゾクゾクする名言多し!

「落胆するために仕事してるわけじゃないよ。これは研究だから」みたいなこといってましたけれど、研鑽という言葉の重みを感じたし、しかし彼の仕事への姿勢はけして彼だけのものではなくて、あらゆる仕事に通底する信念だと思った。

でもシリアスなシーンだけじゃないのよ。この映画で初めて知りましたが、イグデスマン&ジョーというコントのような演奏をするコンビがいて*1、シュテファンは調律師なのに、コントのアイディアも考えてるの!それが奇想天外でおもしろいです。ぜひぜひ、音楽好きな方に観て欲しい映画です!東京では新宿シネマートで上映していますよ。朝の上映だと大きな会場です。