ザクロ@日暮里

イラン本読んでる流れでペルシア語のテキストを借りてみたら、あまりの複雑さに「これはわたしが勉強して読めるようになるよりも、日本語話すイラン人と知り合うほうが簡単である」という真理を悟りましてね*1、さっそく昨日ペルシア料理屋さんに行ってきました。

日暮里駅の有名な「夕やけだんだん」のすぐ下にあるザクロというお店です。行く前から「女性には過剰なサービス(主に精神面)がある」とか「ランチで行ったにもかかわらず肉体・精神両方でお腹一杯になった」など覚悟を促すようなアドバイスを貰っていましたし、予約の電話をしたときも「客の男女内訳」を聞かれたので、「ただのレストランではないな」というのは明白でした。


まずテーブルはありません。絨毯が敷き詰められた広間にじかに座ります。メニューもありません。基本、コースです。お酒はあります。トルコビール、チュニジアビール、ラキ、トルコワイン、ざくろ酒など。そしてハーブティの種類は充実しています。わたしたちは2千円のお腹一杯食べきれないコースにしました。

えー、入店10分後にマスターから「シマシマ」と命名されました。ボーダー柄を着ていくことは厳に慎んだほうがよいと思われます。もしくは予約した全員でシマシマになるか。

シマシマ、あそこのスーツのサラリーマンたち、お偉いさんぽくてボク苦手だから灰皿持って行って!ちゃんといらっしゃいませー!って元気に言うんだよーー!」とデカい声(もちろんサラリーマンたちに聞こえてます)で用事を言いつけられ、さっそく働かされました。

しかしそこは客商売、アメとムチの使い分けが上手なので、わたしたちが羊が好きだと言えば、コースにはない羊の内臓の煮込みを出してくれたり、イランのお菓子をサービスしてくれたり、しかし次の瞬間には「空気を読め」と叱られたり…忙しかったです(主に精神面で)。

毎日ダンスショーがありまして、昨日はベリーダンスでした。セクシーな衣装を身にまとった女性が踊りはじめると、次々客をひっぱりだして一緒に踊ります。サラリーマン客の中にはイラン駐在だった方がいて、思い出すなあ〜!とノリノリで踊ってました。

わたしもマスターに足首を持たれ引っぱられて踊るはめに…。一緒に行ったAさん(年末お泊り会をした写真家の女性)が他人事みたいに携帯カメラで撮影してるので、ダンサーの女性に「あの人も引っぱってください」とお願いして、2人で踊ってきました。学生たちのグループもいたので、最後には客全員が踊ってました。「いい運動になったわ〜」

なんでペルシア語を勉強するか、またはイラン人と知り合いたかったかといえば、本当に不純な動機ですが、ラミンの腕に入ってるタトゥのペルシア文字を読みたかった/読んで欲しかったからです。ネットで調べてみて、なんとなく意味はわかってはいたのですが、「タトゥは個人的なもの。その意味は秘密にしていることが多いし、あえて訊かないし、訊かれても答えない」というような暗黙のルールがどうやら文化としてあるらしいと知ったので、まあ、もともと不躾に本人には聞けないとは思っていたけれど、あとは読み方を知りたい〜〜と思っていたのです。

携帯にラミンの写真を保存して、マスターに見せると「えーこれ誰〜?彼氏?カッコイイね〜」と訊かれたので「…わたしの好きな人です」と答える厚かましさ。マスターがさらさらと朗読してくれたので、ああやっぱりペルシア語なんだー!と嬉しくなり、どういう意味?というか発音もう一度!覚えるから!くらいの前のめり。愛の詩なので「こんなタトゥ彫ってるなんて、愛されてるじゃん!」となぜかわたしの恋人だと勘違いしてるマスター…ごめんなさい。

「彼はラミンというのよ」と教えたら、「ラミン!わあ、イランの名前だね〜!」「ラミンは今どこにいるの〜?日本?」というので「ううん、イギリスに帰っちゃったんだ先週…」とか、調子にのってどこまでも妄想トークを繰り広げるわたし…ほんとうにすみません。悪気はないんです(笑)


そんなこんなで、雪がもさもさ降っていたなか4時間ほど料理とおしゃべりと踊りを堪能しました!料理はトマトスープに、サラダ、鶏の串焼き、羊の煮込み、鶏ひき肉のカレー、野菜の煮込み、砂肝とレバーのソテー、焼きそば的なもの、羊の内臓の煮込み、大きな大きなナン、ご飯、イラン産のドライフルーツ・ナッツ・薔薇のジャム、ラマダン中に食べる甘い砂糖漬けの揚げ菓子、クッキーと、お腹がはちきれんばかりでした。トルコワインも安いのに美味しかった。ちなみにお肉はすべてハラールされたものだそう(上の写真はオーダーして5分後の状態。食べきれないほどどんどん持って来ます…ほんとに)

えーと、タトゥの意味はあえてここには書きません。知りたい方は自力でなんとかがんばって。あとは、いつかお会いしたときにでも…。