ことしの

今年ライブに16本ほど行ったらしい。1、2月に行ったライブが記憶から抜け落ちていて、ここで確認して驚いた。ひろみ×鶴瓶も今年だったか…記憶が遠いわ。

どのライブが印象に残っているかといえば、やはり震災1ヶ月後の上原ひろみ。毎日毎日「余震」と呼ぶには大きい揺れを感じながら生活していたころで、本なんか全然読めなかったし、音楽を楽しむ余裕もなかったころだけど、ひろみのピアノに心を慰撫された。先々週のTrioライブも人生で1,2を争うものすごさで、音に飲み込まれる浮遊感を伴うライブだった。ひろみがどんな楽曲を作って、どんな演奏をこれからしていくのか、ずっとずっと見ていたい。

4月終わりの浜田真理子さんのライブも選曲が練られていて素敵だった。ライブに行くたび、浜田さんの知性やユーモアに感心して、毎年春のツアーを楽しみにしてる。美しい声は“Gift”であるなあ、と聴くたび思う。

5月はレキシに救われた。3時間のライブ中、すべての憂いを忘れて笑うことができたのは、池ちゃんのおかげです。レキシは9月にライブ福島で鶴ヶ城にも来てくれて、ほんとうに感謝している。あのときはサンボマスターも力強い愛の言葉を歌ってくれて、強烈な記憶として残っている。

小谷さんのライブは8本で、5月のMANDALAでやった友部さんとの2マンが素晴らしかった。あのとき初めて『3月のこと』を披露してくれたんだ。8月の浜離宮も楽しかったな。向井さんや吉野さんとのLamama2マンも。若い人たちのイベントに呼ばれることも多い小谷さんだけれど、やはりこういう気心のしれたミュージシャンと一緒にやってるときの小谷さんは雰囲気が柔らかくなって可愛い。

今年はほんとうに音楽に慰められることが多かった。サバイバルには必要の無い部分の、しかし実は心に不可欠なもの、それを意識せざるを得ない状況にあって、わたしにとっては音楽がそれだったんだなと実感したのだった。また今年聴く機会に恵まれた音楽家がすべて、情熱や愛情を圧縮して結晶化したような音楽を紡ぐ人たちだったので、余計に強くそう感じたのかもしれない。

今年発売されたこの2枚はとてもおすすめ。

Voice

Voice

レキツ

レキツ

小谷美紗子『3月のこと』

浜田真理子『のこされし者のうた』