過剰

近年の接客方法にひと言どころか、もの申したいことは数々あります。

まず、珍妙な抑揚のついた「いらっしゃいませ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」という、これ見よがしのソプラノソロパートか!ってくらい伸ばしまくる語尾。その息の長さ、フリーダイビング世界新記録に挑戦するべき!とスカウトしたいくらい。

次に、明らかに客はわたし一人しかいない、新たに来店する人も、店前を往来する人もいないのに、「いらっしゃいませ〜〜〜どうぞ、ごらんくださーーーーーーーーい」とおよそ1分ごとに言われること。わたしには見えない誰かがもしかして!?とオカルトムービーめいてくる白昼夢。

それをパワーアップさせたのがブクオフ形式。入り口あたりの店員さんが客に「いらっしゃいませーー」というと、店奥にいる店員さんまでもが客を目視していないにもかかわらず「いらっしゃいませー」「いらっしゃいませー」「いらっしゃいませーー」とあちこちから聞こえてくる。こだまでしょうか?いいえ人力。

もうね、静かに選びたいんですよ。脳みそ沸くようなうるさい音楽とかいらんのです。甲高い挨拶も、奇妙な敬語もいらんのです。ただただ、ふつうに、おだやかに、目の前の人と交流すればいいじゃないの。店員だから客だからと、やたらにへりくだることも横柄になることもなく、マニュアルに縛られることなく、対等に向き合えばいいじゃないのと常々思っているのです。

で、ここからが今日一番言いたいことです。

最近、駅ビルや郊外のショッピングモールなどで買い物をすると、「お出口までお持ちいたします」なんて言って、狭い店内から間口までほんの2,3メートルを、購入した品が入っている紙袋を恭しく運んでくれ、出口で渡されることがよくあります。

あれ、必要ですか?

わたしが買い物できるくらいの金額だから数千円、高くたって1,2万程度ですよ。銀座の高級ブランド店で、ん十万円ん百万円の買い物ではなく、首都圏のどこにでもあるチェーンアパレルですよ。で、その数メートル運んでもらって嬉しいか?と聞かれたら、申し訳ないけれど羞恥プレイとしか思えません。たいてい断りますが、「いいえ、遠慮なさらずに」みたいな調子で食らいついてくる果敢な店員さんもたくさんいらっしゃいます。

お得意様でもなんでもない、一回限りの安い客なのに、こんな丁寧に扱ってもらっちゃった♪いい店だわ♪…と客に思わせたくてお店はやっているのでしょうか?だとしたら見当違いも甚だしいと思います。

お店と接客いうのは、それ相応というものがあるわけで、「ハイ喜んでー!」な居酒屋で一流ホテルの最上階BARみたいな接客を求める人などいないわけですよ。シングル9平米のビジネスホテルで「お部屋まで荷物運んでくださらない?」なんて言う客はいないわけですよ。なんでも丁寧ならいいってもんじゃない。慇懃無礼という言葉があるように、TPOにそぐわない丁寧さは嫌味ですらあるのですよ。


お願いだから、ふつうに振舞ってほしい。友達みたいに馴れ馴れしくされても、そりゃイヤなんだけど、もっとふつうに話がしたいんです。こんな説教臭いことダラダラ日記に書いちゃうの、ほんと年とったなあって自分でもイヤになりますけれどね、でも言わずにはおれない!

だって、今日、「お出口までお持ちいたします」ってーの、マツキヨの化粧品コーナーでやられたんだよ!?平静でいられるわけがないよ!!