@下北沢Garden

改装されたGardenよくなってた!以前の横長で低いステージ、意味のよく分からない両脇の高台席、天井低いバーカウンターがすべて改善され、キャパは小さくなったように感じたけれど、ずいぶん見やすくなったし、ロッカーもできたから使い勝手よさそう。ドリンクチケットで交換できるお酒も増えたし、飲兵衛としてはなにより。

小谷さんも「改装されて評判良いというので来ました。前は、うん、よくなかった」と(笑)お客さんが見づらそうだな、大丈夫かなと心配してたらしい。たしかに、Trioライブ行きましたが、全然見えなかったものー。

さて今回、小谷さんは対バン(suzumoku、Cocco)だしアウェーな意識があったのか?なんとなく力強い歌が多かった印象。いや、強弱のメリハリが強かったという感じかな。最後に「オダニ・ミサコです、名前覚えていってください」*1と新人芸人のようなことを言ったので(普段のイベントではそんなこと言わない)、やはり初見の人のことを意識してたのかも。

『雨音呟く』『こんな風にして終わるもの』は1年ぶり、『生けどりの花』は2年ぶりくらいに聴いた。『雨音呟く』は大好きな曲なので嬉しさひとしお。裏声もきれいに出ていてよかった。弾き語りでも脳内でひさ子ちゃんのギターが鳴る。

『こんな風にして終わるもの』はピアノの旋律が明るくポップなのに歌詞は「男の人が聴いたら怖い曲(小谷談)」、でもわたしには「新しい彼女を作らないで」ってユーモアに聞こえるんだよなあ。

『生けどりの花』はなんといっても間奏の旋律が秀逸。いつかオーケストラとコンサートで演奏してほしい曲。

『消えろ』はワンフレーズをJazzyなアレンジでゆっくり始まったのに、次の瞬間、ガーンといつもの激しさへ変わったのが格好よかった!最後の鍵盤を拳で叩くのもすてき。終わったあと「手が痛い」と言ってたけど(笑)

『3月のこと』、これは聴くたびに自分の中での意味合いが大きくなってる。3月以降のことを表現するとき、その表現は人それぞれなんだとライブへ行くたび感じる。怒りだけを表現する人、亡くなったかたを悼む人。

原発事故は社会的な衝撃も大きかったし、現在進行形の問題だから怒りは継続されるけれど、でも、あの地震津波で約2万人の方が亡くなったり、今も行方がわからなかったり、身元確認ができないままでいること、30万戸以上の建物が壊れ流されていったことが、半年以上経った関東で暮していると、まるでなかったかのように日常がめぐり、怖くなることがある。*2

警察庁のサイトへいくと東日本大震災で犠牲になった方の一覧があるのですが、お一人お一人の名前、年齢、性別がわかるんです。福島県は40ページ、岩手県は109ページ、宮城県は223ページにも渡るものです。ここに書かれている方の人生が、あの日を境にして消えてしまったこと、小谷さんの『3月のこと』という曲がある限り、わたしは絶対に忘れないし、聴くたびに祈るだろう。

小谷さんの曲はいままでもいろんな視座を与えてくれた素晴らしい曲ばかりだけれど、『3月のこと』は心から感謝したい。

  1. 街灯の下で
  2. アイシテイルノニ
  3. 雨音呟く
  4. こんな風にして終わるもの
  5. 生けどりの花
  6. 消えろ
  7. 3月のこと

*1:オダニを強調して言っていた。コタニとか呼ぶ人もいるからなー

*2:3月末に東京駅に用事で出向いたとき、巷では製造や物流の混乱で商品が不足していたのにもかかわらず、八重洲のデパートの食料品売り場にはキラキラに輝く彩りのよいケーキだのが豊富に並んでいて唖然としたものだった。あらゆるものは集中する、たとえどこかで足りなくてもと思い知らされショックだった。それこそ小谷さんの『雪でもいい』の世界http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=dC9Wm-jqO6Q