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- 作者: 松田洋子
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2011/08/25
- メディア: コミック
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松田洋子(ひろこ)さんの作品は『相沢奈美の犬』*1と町山広美さんとの対談本を読んだ。ツイッターでも含蓄のあるブラックな笑いのあるつぶやきで楽しく、すっかりファンになった。
『ママゴト』は自身の店を構えるスナックのママ・映子が、突然友人の子どもダイジ(5才男児・肥満)を押しつけられ一緒に暮すことにより、自分の生い立ちや過去のあやまちと邂逅しながら「生きなおす」ようなお話。
養親から虐待されてたり、借金取りから逃げてたり、いじめられてたり、と世間の価値観でみれば「格差社会の底辺」の生活をしている登場人物がたくましく生きてます。印象に残ってるのは、ダイジが5才の誕生日にお金がなくてプレゼントをもらえなかったことを聞き、小学生の友達*2が「かわいそう」と同情して泣いたら、映子が「かわいそうって言いよったら、かわいそうオバケの呪いでかわいそうにされるんよ」と咎めるところ。
他人を「かわいそう」と思うことはなんと不遜なことか。相手が自分より弱いとか、自分よりも不幸だと決めつけることだもの。以前、大野更紗さんがインタビューで突然難病を発症したことについて「自分の引いたクジは悲観的なものとは思ってない」「不条理なことを自分のせいにしたり、他人のせいにしてたら話はそこで終わる」というようなことを言っていたのだけど、なぜかそれを思い出した。
ダイジくん、ぷくぷくしてて、かわいいです。