読了

世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)

世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)

2003-04年に発表されたコラム、レビューなどをまとめたもの。繰り返し繰り返し語られることは、無自覚なまま垂れ流される主体を失った善意や優しさが暴走するとき、管理を強化し他者を阻害排除して、厳罰化を望むスパイラルに陥る危険性があること。善悪や左右の二極化、わかりやすいものしか認めない…。7年も前に書かれたものが、いまでもそのまま当てはまる。プレイヤーが変わっただけで、本質やってることはなにも変わっていないことに愕然とする。

「どうしてこうなってしまったのか?」の問いに森さんは「答えは単純だ、僕らが選択したのだ」「世界は今、僕らの同意のもとにある」「特定の誰かをあげつらうための責任論は虚しいし、意味が無い」「同時代にいる世界に責任を持つ」と繰り返し書いている。そこで思い出したのは日経ビジネスのサイトで連載されてる池上彰加藤陽子の対談*1で紹介された大岡昇平の『戦争』の一節。歴史を引き受けなければならないんだな、「誰か」がではなく「わたし」が。

風評被害 そのメカニズムを考える (光文社新書)

風評被害 そのメカニズムを考える (光文社新書)

まずは地理、大事よね(笑)。あとは、「科学リテラシーを身につける」なんて大そうな言葉で表現せずとも、物事を誠実にとらえ理解する態度があればいいんじゃないかなと思った。なんとなく不安と言う人に限って、自ら調べたり勉強しないことが多く、他人からの伝聞を真に受けたりする。知識は万能ではないけれど、少しだけ自分を助けてくれるものだ。

うなドン 南の楽園にょろり旅

うなドン 南の楽園にょろり旅

先日、うなぎの卵を世界で初めて捕獲したとの話題で興味を持ち、手に取ったうなぎ研究員の本。ちょっと冗長で飽きてしまった…。

グレート生活アドベンチャー (新潮文庫)

グレート生活アドベンチャー (新潮文庫)

「いじましい」はケチくさいという意味なのに、どうやら「いじらしい」の意味で誤用している?と思われる箇所が2、3箇所…。内容よりもそういうことが気になってしまう性質です。