@浜離宮ホール
さかいゆうさん企画のゲストとして2マン弾き語りライブ。これまで二度、小谷さんの浜離宮ホールでの圧巻のソロライブを堪能していたがゆえに、2マンと聞いたときには大げさでなく落ち込んだんですけど、さかいさんが大の小谷ファンということで、最初のソロ3曲以降は壇上に小谷さんを迎え、小谷ソロ4曲、そのあとはふたりの楽曲をカバーしあったり、共演したりで大満足。こんな小谷押し構成で、さかいさんのファンは大丈夫だったのか、ちょっと心配なくらい…。
普段の小谷さんは極力MCを挟まず、集中力をもって演奏するので、曲と曲のあいだは空調の音が聞こえるほど森閑とし、わたしはその張り詰めた空気をも小谷ライブの醍醐味として楽しんでいるのだけど、さかいさんはサービス精神的にそういうのがダメみたいで、茶々を入れるから、小谷さんの集中が途切れてしまうのではないかとハラハラした。というか、わたしの集中力切れた…あぁ大人げないわねぇ。
しかしそのおしゃべりも効果があって、18歳くらいに書いた小谷さんの『自分』という曲にまつわるお話がきけた。歌いだしが “ 自分よりバカな人をみて安心した 自分の罪を人にきせて楽をした ” という直球ストレートなこの歌詞、それを書いた理由は「大嫌いな人にあなたのこういうところが嫌いという前に、自分の醜いところを曝け出したうえで、どうなの?あなたにもあるでしょ?と言いたかった」と。なにその精神力の強さ…。
今回の震災・原発事故についても、「アーティストとしての生き方が変わってしまうような出来事だった。知らないことが多くて、勉強しなきゃいけないことも多くて、まずはごめんなさい、と思った。政治家さんになにかこうしてほしいと伝えるにしても、それからだと思った」…なんて正直で謙虚な気持ちだろう。罵りあうようなネットでの言説を見ることが多くなったここ数ヶ月、自己批判のない批判にうんざりして他人を批判するループに、わたしも巻かれていたのだ。
仮タイトルで『3月のこと』という新曲は、誰もが無料で聴けるように、相談しているそうです。“歌なんて聴いてる場合じゃない。頑張れなんてもう聞きたくない”と思ってる人にも伝わる楽曲だと思う。イントロのピアノの旋律は、そのまま鎮魂の鐘の音。この歌が、多くの人の耳を震わせて、心に届きますように。小谷美紗子を知らない人にこそ届きますように。
セットリスト(さかいさんの楽曲は不明)
- 街灯の下で
- 青さ
- 儚い紫陽花
- 3月のこと(新曲の仮タイトル)
- 自分(さかいさんによる)
- (さかいさんの曲を小谷さんがカバー)
- The Stone
- Off you go
- Rum&Ginger
- across the universe
物販にて10/14(金)Trio×吉野さん@渋谷のライブチケットを購入し、銀座でポルトガル料理*1を堪能して帰宅のちビール。
*1:カタプラーナのあとのリゾットが最高に美味しかった