127時間

アメリカの登山家アーロン・ラルストンが2003年5月、ユタ州の渓谷で岩に右腕を挟まれる事故に遭い、127時間後に脱出した実話をもとにした映画。監督は『スラムドッグ$ミリオネア 』のダニー・ボイル

予告を観て面白そうだと思い、あとは情報を入れずに行ったのだが。まあ、そうだよね、そうなるよね…と後半の痛い痛いシーンにぎゃー!となり、そこはほとんど目をつぶってました(笑)それでも映画館でたあとダメージでげっそり座り込んじゃったので、血とか痛いのとかダメは人はお気をつけくださいませね。

しかし映画はよかったです。家族とか恋人、周囲の人との絆よりも一人で登山とかロッククライミングしてるほうがいいわ〜と自由気ままなアーロンは、誰もいない、助けてくれない極限状態でなんでも自力で解決できると思い込んでいた自分の傲慢さを思い知るわけですけれども、それでもパニックにならず冷静にやれることを尽くし、あきらめない。なんで人はこんなに「生きたい」って思うのか。すごく不思議だった。当たり前なんだろうか。だれにでもある感情、本能だろうか。

脱出までの5日間にこれまでの自分への後悔や、衰弱してからの幻覚が挿入され、それが効果的だった。身動きが取れないあいだ彼は持っていたビデオカメラで家族へのメッセージを残そうとするんだけど、ワイドショーの対談みたいにおちゃらけて自虐なことを言ったりして、そういう「他者の目」は案外自分を救ってくれるような気がした。

観終わったあと本屋で原作本を見つけ、ぱらぱらしたちょうどそのページが痛い痛い場面でまたぎゃー!となって帰ってきました。あぁげっそり。

127時間 (小学館文庫)

127時間 (小学館文庫)