花見


昨夜寝る前に心が折れそうなニュースを見てしまい、それ以降おもしろいほどに寝付くことができず、朝を迎えた。とりあえず洗濯をしてから再び布団へ入り、3時間ほど眠ったが、呼吸困難で目覚めてしまった。なんつーメンタルの弱さ。
そのニュースとは、他県で「福島県民お断り」と看板が立てかけられ、福島から来たというだけで入店を断られたというもの。あまりにも無知なのか、中途半端な情報による過剰反応なのかわからないが、こんな差別をこれから受け続けなければならないのだろうか、と思うと目の前が暗くなる。これから先、高い測定値が出ている地域の子どもたちを疎開させることも考えたほうがいいような事態になるだろうとき、移転先でこんなイジメを受けるかもしれないのかと想像すると怒りに震える。
こういうのは昨日書いた「自分たちは守られるべき」と思い込んでる人たちの思考、自分たちは被害者だと思い込んでる人たちが知らずに加害者になってる構図だと思った。放射能を怖がるのは普通の感覚だけど、それがヒステリックになると自分たちが加害者になるなんて片隅にも想像しないのか。一日も早く根本が解決してほしいけれど、たぶんかなりの期間を費やすだろうことは想像できる。ならば、その日までどう過ごすのかをそれぞれが冷静に考える必要がある。

夫とふたり昼過ぎに投票を済ませ、花見散歩へでかけた。かなりの距離を歩いて桜が満開の公園へ行った。古い公園らしく、このあたりでは見かけない太い幹の立派な桜が並んでおり、迫力があった。宴会をする人、小さな子どもを連れてる人、子どもだけで駆け回ってるの、みんな桜の下では笑顔であった。いつも通りの春みたい。

古本屋によって、喫茶店で一休みして、図書館に寄って、帰宅してから花見の宴会をした。店頭からはビールの在庫がだんだん少なくなってきた。飲んでる途中で、東京都知事当確のニュース速報。絶望してる場合ではない。「どうせ変わらない」と嘆いてる場合ではない。これから意地でも変えてやる、くらいの気概を持たなければ。