ブーティと牛乳

土曜日はちょっと長めに電車に乗り、谷中の靴屋そのみつへ注文していた靴を取りに行った。お彼岸の連休初日、谷中はお墓参りの人がたくさん行き交って、よみせ通りも賑わっていた。夕焼けだんだんには相変わらず猫が日向ぼっこをして、それを写真におさめようとカメラを向ける子どもの姿もあった。

半年前に注文した靴がやっと目の前に!試着してみると、仮履きのときにお願いしていた不具合も解消され、すこぶる履きやすい。去年の秋に注文したときは「秋冬物のブーティなのに出来上がりは春かぁ〜」と少々さみしい気がしていたけど、アイボリー×紫の色合いが淡いので「春物」と断言してしまおう。
店内には新作サンダルもたくさん展示されており、革の色もピスタチオや空色、チェリーレッドなど市販のお店では見かけないような美しい色が並んでいて、しばし眺めてうっとりした。次にオーダーするデザインは心に決めているので、あとは革の色…洋服の傾向なども変化している年齢なので、もうすこし考えてからだな。

そのあとは新しくできた雑貨屋さん(クリコという東欧雑貨を扱うお店)を覗いた。可愛いのに手ごろな値段の商品が充実していて、これは谷中パトロールに加えなければ!と思わせる。以前そのみつがあった場所です〜みなさまもぜひ!パトロール順として、その次は旅ベーグルさん。2時半すぎだったので品切れしてるかと思ったけれど、アールグレイ×オレンジピールのベーグルを買った。
次はシャツ屋のdoudouさん。店主さんにそのみつの靴を見せびらかすため(笑)外からお客さんがいないのを確認して入店し、地震お見舞いをしあった。谷中は古い建物も多いので、かなり揺れたらしい。小路を歩いていても、塀が崩れそうになっているところを立入禁止の黄色いテープでぐるりと囲まれている家を見た。
リバティの新しい柄、半袖のシャツもたくさん並んでいて、どれも可愛い。今年の夏は電力供給が追いつかずに空調を抑える動きもあるでしょうから、今から半袖シャツを頼んでおくといいと思います!とくに買占めに走ってる方!早め早めに対策をされたほうがいいと思います!

買占めといえば、やっと今日になって牛乳を買うことができた。夫の大好物のカフェオレに欠かせない牛乳、地震以来手に入らないため、わたしは飲むのを遠慮して、ちびちびと大事に使っていたのだが、その最後の一杯というところで買うことができて、ほっとした。
それにしても朝のスーパーの静かながらもヒステリックな雰囲気にはげんなりした。いつも耳障りだと思っていた安い音のスーパーミュージック(BGM)が、その呑気さで少しでもこの雰囲気を中和してくれる効果があるんじゃないかと祈るような気持ちになってしまうほどだ。「お一人様1本」商品を買うために家族総出でペットボトルの水とタマゴでカゴをいっぱいに満たしている人や、推定70歳オーバーの老夫婦が牛乳2本とバナナ2房を買っているのには、好意的解釈を挟んでもこちらが恥ずかしくなる。それは本当にいま必要な買い物なのか?と。
それでも午前中に買い物へ行けば商品はたくさんあることを知った。いつも夕方近くに行動するためスッカラカンの棚を眺めていたのだ。いま不安でいつもよりたくさん買い物している人が、もう冷蔵庫や保存棚がぱんぱんになっているのを見れば落ち着く頃だろうし、ガソリンなども西から運ばれてきているそうだから、今週は買い物については心配しなくて良さそう。

わたしも余震におびえる生活をやめた。会津の母へは毎日少しでも明るい話題がないか探してメールまたは電話をしている。こちらよりもずっとずっと不安定ななかで日々を送っている、けれど家を離れないと決めている母へわたしがいまできることは微々たることだ。今週は動く、働く、食べる。