彼岸


スーパーでは牛乳以外の生鮮食品が潤沢に並んでいる。3/11以来たび重なる余震が怖くて、おにぎりやおいなりさん、片手でいつでも食べられるような食事ばかりしていたと気がついた。火曜日あたりから普段どおり料理ができた。明るいうちに材料を切る。首には短めのマフラー、厚手のフリースを着こんで。電力需要のピークは暗くなってから19時台あたりまでと聞いたので、その時間はなるべく寝ている。こたつは電気を通さずとも人の放射熱で布団の中があたたまる。去年保温性の高い素材の布団やラグに買い換えていたので快適。テレビは大きめの余震のときだけつける。

水曜日には予約していた歯医者にも行った。受付には予約を断る電話が何件か。「こんなときだから仕方ないですよ、落ち着いたらまた予約してくださいね」と受付の女性が穏やかな声でいたわる。わたしはといえば、ただでさえ歯医者というだけで気が重いので、少しでも気分をあげようと、ピンクのカーディガンを着てでかけた。

昨日は出勤できなかった。最寄電車は時間帯運転をしているのだが、都内へ出勤する人向けなのか、早朝と終電近くが優先されてるよう。職場からは通勤困難の場合は無理せず、そのぶんは特別休暇扱いにするお達しもあったし、火曜日の出勤時に期限のある仕事は片づけたので、ありがたく家にいた。

今日は幸い昼間も電車が動いていたので、街まで出て、欲しかったCDや本などの「生活・不・必需品」を買ってきた。*1本は地震酔いで読めたものではないのだが、それでも今買う。デパートでは福引をしていて、たった1回だけなので期待せずに引いたら、千円の商品券が当たった。先々週20回引いたときも同じ景品だった。今日のわたしには買い物の神さまがついていたな。この商品券を使うためにまた買い物をしよう。


読めないまま返却期限を迎えた図書館本を返しにいくと、今日から今月いっぱい閉館すると貼り紙があった。停電してしまうとシステムが機能しないので、思い切って節電対策として閉館したらしい。返せなくなった本とDVD、この期間にゆっくりと読みすすめよう。

それと今日は彼岸の入りなので、花を買ってきた。黄色のラナンキュラス、白く小さいマーガレット、ピンクのカーネーションの束。テレビの脇のちょっとしたスペースにこまごまとした、わたしの好きなものを飾っているのだけど、そこに父の形見としてもらった腕時計と写真を置いて、花を供えた。このところお酒を飲んでいなかったのだけど、ビール大好きな父のことだからと缶ビールも買ってきた。でも父が愛飲していたスーパードライは勘弁なので、一番絞り(笑)帰省するときも駅脇のコンビニでモルツや一番絞りを買ったもんだ。だって実家の冷蔵庫はスーパードライで埋まってるんだもん。久しぶりに花を飾ったので、色のあざやかさ、青い香りが心地好い。父よ、ありがとう。

*1:名曲「狩りから稲作へ」収録のレキシ2ndアルバム『レキツ』、『板尾日記6』『ヴォイス』『原始仏典』