読了

図書館への蔵書について半年の猶予を設けてくれとか、そういう作家の要望がニュースになっていたが、わたしはT崎社長がツイッターで書いていた“図書館で本を借りて読む人は、たとえ新刊が半年間図書館に入ってこなくても、入ってくるのを待って借りて読む。もしくは文庫化を待って読む”が、思い当たるフシあるあるある。好きな作家の新刊なら買うけど、そうでもなければ図書館またはブックオフに並ぶのを待つだけ。人気作品なら図書館で200人待ちとかあるものね…。そこまで待つなら買えよ!と思うけど。どうしてもお金を出したくない理由があるんだろう。

金銭的にも置き場所としても限界があるわけで、読みたいものを全部購入して保管しておくわけにはいかない。ずっと手元に置こうと決めたものだけを買うようにしているので、未読の作家はまず買わない。1冊目は図書館で借りること多い。好きな作家の本は応援という意味で単行本を新刊書店で購入するけど(なるべくネット書店を使わないようにしている)、うっかりして買い逃すとそのうち古本屋で出合ってしまったり…。

今のわたしの環境も善いのか悪いのか、書店よりも図書館(分館)のが家から近いため、図書館サイトで予約しておけば、はやくて2日で届いてたりするのでねぇ。でも図書館で本を借りる前は、一冊も本を買わない生活だった。借りて読むようになってからは読みたいものが増えて、月5冊くらいは買ってるし…文庫も多いけれど…そんなに図書館が悪者でないと思いたいよ。


世にも奇妙なマラソン大会

世にも奇妙なマラソン大会

西サハラ独立支援運動としてのマラソン大会inサハラ砂漠のお話と、世界中を飛び回って遭遇した不思議なお話をまとめたもの。昨日も東京マラソンがありましたけれども、わたしの好きな作家の角田光代さんも完走したようですが、もうマラソンやる人って意味わかんない!と思ってる運動音痴です(笑)しかも砂漠の真っ只中を走るって、正気の沙汰とは思えないけれど、世界中から人が集まっているのだから驚き。
高野さんの本を読むときは地図帳をひらきながら読む世界音痴、民族問題や政治にもまったくの無知、ひとり鎖国状態のわたしでも面白く読み進められるように書かれている高野本はほんとうに有難い。今回も面白かった!奥さまエピソードが多いのも高野本には珍しく、ほほえまし。

感染宣告――エイズなんだから、抱かれたい

感染宣告――エイズなんだから、抱かれたい

いまや「死の病気」ではなくなったHIV感染症についてのノンフィクション。患者とその家族、配偶者への取材をもとに独白文体で書かれているため、読みやすく、ものすごく感情移入してしまった。読み終わったあとは、ややぐったり。
HIVに感染してもエイズを発症するまでには時間があることや、そもそもHIVの感染率は非常に低い病気であることは知っていたけど、医療者のあいだでは糖尿病などの慢性疾患と同じように認識されてるくらい、薬で発病を抑えることができているとは驚いた。適切なケアをすれば死に至ることはないし、子どもを産むこともできる。けれど病気が「死」から遠ざかっても、当事者たちの苦悩はなくならない。どこか遠くの問題と思い込んでいたHIVだけど、ここ数年では毎年千人程度が新規感染者として数があがっているそうなので、ぜんぜん遠くないわ。読んでよかったです。