モンゴルへの旅

立春という言葉どおりの、春らしいあたたかな一日。例のごとく午前中のうちにやることをやっつけ、読書しつつ昼寝。現世に還れないんじゃないか…と不安なくらい身体が重い目覚めであったが、PCでツイッターチェックしたら、なんともすごいお誘いメールを頂いており、その衝撃で一気に生まれ変わった。



そのお誘いは新大久保のチンギス・ハンというモンゴル料理店で羊一頭を食らい尽くす会。先月から羊が食べたくて食べたくて妄想していたくらいだったので、それだけでも願ってもないお誘いに胸ときめいていたのだが、会場についてみればわたしの敬愛する辺境作家・T野秀行さんや、これまた大好きな“気になる”翻訳家エッセイストのK本SC子さん、文学賞メッタ斬りのT崎社長など、なんだなんだその“俺得ぶり”は!この会を企画された方が編集者であったので、参加していたのは版元や編集さん、フリーのライターさんたちが大半で、なんの芸もないイチ主婦のわたしは完全にもぐりみたいな感じでしたけど(笑)、ミーハー精神全開でT野さんやK本さんと2ショット写真を撮ってもらいました。すみません、すみません。
お店にはモンゴルの衣装がたくさんあって、わたしも含め皆でコスプレを楽しんでいたんだけれど、衣装に着替えた皇帝風T野さんと侍女(わたし)という感じで写真を撮ってもらいました。K本さんとは同じテーブルであったので、面白いお話をお伺いしました。他にも普段の主婦的生活では出会えない、すごい方々がたくさんいらっしゃって、今考えると夢だったかもしれません。



肝心の羊ですが、これは迫力がありました!まずお店に入るとカウンターには頭を落とされ、ぴーんと一直線になった羊が鎮座しています。本日は50人で貸切だったので大方が集まったところで、モンゴル出身の店主さんが解体を宣言。結婚披露宴のケーキ入刀でもこんなに前に集まらないというくらいカメラ片手に群がる人々は、包丁が入れられるたびに歓声を上げます。

解体が終わると焼きに入るのですが、それが2時間かかると言う。2時間どうやって間を持たせるのか?と気になっていたのも束の間、店主さんが獣の角とお酒の瓶、モンゴルの帽子を持ちみなの注目を引く。その帽子をかぶせられたら角を渡され、その角は中が空洞なのでちょうどお猪口のようになり、そこへ酒を注がれ、帽子をかぶらされた人は一気飲みをする、という…まるで学生時代の“悪い先輩”の振る舞いを始めた。一気の掛け声もモンゴル風で、いまも脳内エンドレスリピートなのだが、これが存外に盛り上がった!みなさん酒豪ぞろいだったのもある。

あとはモンゴルでは昨日がお正月だったということで、店主さんがお祝いの歌を歌ったり、T崎社長も歌を披露された。店主さんが指名した男性がパンツ一枚にされ、モンゴル相撲の衣装に着替え、勝負させられたり、ほんとに傍若無人の“悪い先輩”のノリ。でも全然いやな感じにならず*1、ほんとに笑い転ろげてるうちに肉があがってきて、これはもう時間がかかる料理を提供するために鍛えられたエンターテイメント!店主さんのキャラクターや努力なしには、ここまで楽しめないだろうとわかる。

お肉は新鮮でとても美味しく、食べたあと毛穴から獣臭がしても悔いなし!脂がいい香りなんですの。小麦粉やチーズを多くを使った料理も美味しく、馴染みのないミルク酒やハラ茶も美味しかった!50人集めるのは大変な労力だったと思います。幹事の女性と、お誘いくださったYさんに心から感謝。

*1:指名された男性陣が思い切りよく脱いでいたのも盛り上がった要因