西荻窪


ライブの招待券が当たったので、昼間は谷中で古本をのぞき夕方から渋谷へ行こうと思っていたが、ひとりで音楽を聴く気分でもなかったのでやめにした。そのかわり会期中の平日に行こうと思っていた、駒ケ嶺三彩さん(陶芸)+坂本千明さん(紙版画)の二人展「しんしん−深く、静かに、ゆれる森−」を見るために西荻窪みずのそらへ。

イラストレーターの坂本千明さんとは、タモリさんのカレーが縁で*1何度か飲みに行ったり、キヨシローの復活武道館にご一緒させてもらったり、先日の“ヤバ粉”を教えてもらったのも千明さんからだし、ほかにも映画やマンガもおすすめをもらい、わたしの「美味しいもの・面白いもの情報」はほぼ千明さんから頂いているような状況のお付き合いです。*2

いままで何度か千明さんの展覧会を拝見してますが毎回、静寂さというものが目に見える作品です。とくに人物はひたひたとした怖さがあって目を逸らせなくなります。今回は人物よりも自然物をモチーフにしたと思われる連作が多く、(あくまでわたしの主観ですが)凛とした緊張感は失わないままに穏やかさが増した印象でした。写真は千明さんの愛猫・楳(うめ)ちゃんポストカード。会期2日目にして完売したという、話題のエリザベス楳ちゃんをぎりぎり捕獲。間に合った!


初めて拝見した駒ヶ嶺さんの作品は実に多彩でした。どんな料理も馴染むだろう使い勝手のよさそうな器類から、本物の木の枝と見まごうような花器、洗練され美しいだけでなく少しのユーモアがのせられているオブジェなど、全部持って帰りたい!って感じでした。が、しがないパート主婦ですから厳選して、雲の木オブジェと兎の置物にしました。こんな躍動感のある体勢の兎の置物見たことないと言ったら、実際制作に苦心されたようで「気がついてもらえて嬉しい(笑)」と駒ヶ嶺さん。雲の木オブジェはうまく写真が撮れなかったけど、白の釉薬の色合い、ガラスの質感といい、すりすりと頬ずりしたくなるくらい好き。

そのほかに会期中限定販売の寅印菓子屋さんのお菓子も購入。フルーツケーキ、バーチ・ディ・ダーマ、木の実クッキー、抹茶とホワイトチョコのスコーン、柚子のマシュマロ。明日ひとりでじっくり味わう予定。舌バカな夫には渡さないわ…!

みずのそらは以前にも千明さんが展覧会をされたので訪れたのは2度目だったのだけど、すっきりしているのに無機質ではなくて、建物として血の通ってる感じがする本当に素敵なところ。庭に広く張られた水が、またいい。会期は28日までですので、ぜひ!

そのあとは千明さんのお友達でもあり、毎年二人展をされている清水直子さんの個展を見にFALLへ。こちらは本日最終日。見るたびごとに変化していて、瑞々しい力が溢れてる直さんの作品。今回のテーマは「雲」、もこもこの花器やくすっと笑えるオブジェがたくさんあった。ディスプレイで置かれていた多肉植物入りの雲植木鉢を購入。なんつーかわいさ!

最後に「西荻に来てここへ寄らずに帰れない!」と古本屋の音羽館へ。開高健『衣食足りて文学は忘れられた!?』(中公文庫)と井上荒野『潤一』(新潮文庫)を購入した。すばらしい休日。

*1:ほぼ日のイベントでタモリさんお手製のカレーを食べるイベントがあった。はずれたので食べられませんでしたが…

*2:テイクのみのお付き合い、わたしからのギブはありません…