読了

今日も一歩も外へ出ない!と決めていたんだけど、読み始めた本には本歌取りのように元ネタがあるというので気になって、すぐに図書館サイトで元ネタ3冊を調べたら、そのうちの1冊がすぐ近くの分館に収蔵され、しかも今貸し出しされてない!ということを知り、それは一刻も早く行かねばなるまい…と腰に生えかけていた根を引っこ抜いて徒歩5分強の分館へ行った。こういうときは行動が早い。
読んでいたのは中島京子『女中譚』、元ネタは林芙美子『女中の手紙』、吉屋信子『たまの話』、永井荷風『女中の話』らしい。分館にあったのは吉屋信子ので、今年7月に河出書房新社から文庫化された『小さき花々』。このなかに「たまの話」が収録されている。週末夕方の図書館はかなり混雑していたけど、誰にも先取りされることなく吉屋本捕獲し、先日予約を入れていた『実録・アメリカ超能力部隊』も届いていたので、根っこ抜いてきて良かった良かった。

先週読んだ本

萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母(文藝別冊)

萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母(文藝別冊)

これはすごい本だったー!これまで作品を読んでいて察するに、親子の葛藤が強い方なんだなと感じてはいたけど、ここまでとは!と驚くほどの強烈さ。NHK朝ドラ『ゲゲゲの女房』最終回のときに、Twitterで「どうやら萩尾さんはゲゲ女のおかげで、やっと両親に“漫画家”という職業を認めてもらえたらしい。あんな大作家が!あの天才漫画家が!」と漫画家さんのあいだで大盛り上がりされていたのを見ていたのだけど、そんなのも納得できるすごい話がわんさか。萩尾さんご本人のインタビューでも赤裸々に語ってらっしゃるけど、そのほかご両親とご姉妹、40年ちかく寝食をともにされているマネージャーの方のインタビューとどれも興味深い内容でした。まだまだ少ししか作品を読んではないのだけど、24年組のなかでは一番好きな漫画家なので、これから集める。でも萩尾作品って、古本屋でほとんど見かけない!大島作品は以前はなかったけど、映画化が重なったりでいまは結構見るようになったのに。新刊で買いますよ、ええ。

着ればわかる!

着ればわかる!

コスプレ体験ルポとあったけど、思ったよりもさらりとしてた。自衛隊と合唱団は「体験」って感じがしたけど、ほかのセーラー服やらキャバ嬢やら十二単やらは“ただ着てみた”ってだけで、京都で観光客が舞妓扮装したのの感想ブログを読んでるような感じの物足りなさ。まず最初のセーラー服で酒井さんたち周囲のお嬢様ぶりがわかる。*1やっぱりこの人はどこまでも上品で、汚れたりはしないのね。というのを初っ端からやってるから、まいいのかな。

海

小川さんの作品には架空の職業がたくさん出てくるけど、この本にも「活字管理人」「題名屋」「鱗鳴琴奏者」と出てきました。わたしがとくに好きなのは「活字管理人」の職場。静かで、自分だけの秩序があって、誰にも邪魔されない環境…すてき♪そして商売っ気がない(笑)今回も読んでいるうちに眠くなると夢うつつで、現実との境界線が曖昧に。小川作品を読んだすぐには夢もいっそう不思議なものになる。

*1:制服が都内の名門校ばかりなので、わたしのような地方出身者にはその制服がどれほど“価値”があるのかさっぱりわからないが