子守見習い

一夜明けたら晩秋の風情。昨日から気温が10℃以上下がったそうだ。そんななか、都内で暮らす姉2のところへ遊びに行った。そもそもは今週末に子守を頼まれたのである。前回会ったのは2年前に姉2+甥2号(姉1のところに甥1号と姪1号がいる)と一緒に帰省したとき、甥2号はまだ1歳になったばかりでろくにしゃべることもできず、人間としての意思疎通はほとんど不可能であった。そこから一足飛びに半日の子守依頼。3歳になり意思疎通も身の回りのこともある程度できるとは言え、なんせハードルが高すぎる。姉2が日ごろの子育てから解放され、ささやかな時間であっても友人たちと語りあい、お酒なども楽しんでほしい。しかしそうさせてあげたいのはやまやまなれど、さて子育て未経験のわたし、しかもけっこう子ども嫌いが、ほぼ初対面の子どもと半日も2人っきりで過ごせるものか?いきなり本番はとても不安であるので、直前の休日に予行練習をさせてほしい!と本日“面通し”を申し込んだのである。

が、結局姉2の「友との語らい」は先の三連休になされ、仕事の休みがとれた義兄が留守番したことにより、わたしの「子守デビュー」もあっさり流れた。不安ながらもちょっとワクワク(未知のものへの好奇心が勝ってしまう双子座)していたので、知らせを聞いたときはホッとしながらも残念であった。子どもは苦手なんだけど、たまに子どもと本気で遊ぶのはすんごく楽しいことを、わたしは甥1号+姪1号と遊んでいて知っているので。“子守”は流れてしまったけれど、いざというときのためにも“面通し”はしておこう!というわけで、本日の訪問と相成った。

雨で外出もままならないだろうと、道中デパ地下でパンだの惣菜だのおやつなどを買いこんで訪問。甥2自身の記憶としては、わたしとほぼ初対面だと思うのに、玄関あけていきなりが「見て!これ仮面ライダーのなんたらかんたら」とライダーグッズの自慢。「ねーママ、さわたんにもアレ見せてあげていい?」と、すでにわたしの名前も覚えている。姉2の教育がいいようで、おばちゃん嬉しかったわ。

ちょうど昼に着いたので、さっそく買いこんできた惣菜をひろげ、みなで食べる。しかし甥2はわたしから貰ったばかりの本が気になって気になって仕方ないようで、ろくに食べずに本をめくり始めた。女の子しか育てたことの無いわたしたちの母は甥2の有り余る元気に閉口して「もっと教育が行き届いてから帰省して…」と姉2に言い、喧嘩になりかけたことがあるのだが、確かに今日もおとなしく本をめくっていたのはものの10分ほどで、あとはもうケータイで写真を撮ろうものなら「残像」みたいな姿しか映らないくらい、飛び回って走り回って叫び続けていた…*1。止まったら死ぬのか?お前は回遊魚か?と問いただしたいくらい、あの小さな身体にこれほどのパワーがいったいどこに詰っているのか?こちらは2時間も経てば充電が切れて眠くなってたというのに!

昼寝でもしてくれないかなぁーという大人たちの淡い期待にも知らんふりで、次から次へとおもちゃを出して遊びたおした甥2、夕方5時になり「帰るね!」わたしが言ったら「うんうん、じゃーボクもママと一緒にさわたん家に行くよ。今日はお泊り?ママ、準備する?」と当然のようについて来ようとしたのが可愛かった。「行かないよ、さわちゃんだけが帰るんだよ」と姉2が言い聞かせるとごねてごねて大変だった。子どものこういうの、いつも不思議に思う。年に1、2度または初めて会ったにもかかわらず、その相手との別れをまるで「今生の別れ」のように嘆き悲しむこと。「また遊びにくるよ」「ぜったいね!(涙)」

姉2は今年40歳で、40でこの小さな怪獣と毎日毎日渡り歩いてるのかと思うと、ただただ平伏。

*1:その間、姉2にこっぴどく叱られること数回…