残残暑暑

観測史上一番暑くて長い夏だそうで。「残暑」なんて言葉では気がすまない本気の夏がまだ続いている。マリンスポーツもせず(海に入ったことがない)、山にも登らず、河原でバーベキューもしない完全インドアのわたしなので生来から夏は苦手であったけれど、今年の夏は気力というものがまったく湧かず、ただ呆然と日々を見送ってきた。暑さのせいなのか、加齢によるものなのか判別できないが、身の回りへの関心・興味というものが例年よりも低いような気がしてならない。

それでも先月は安くチケットを購入できたので、初めてシルク・ドゥ・ソレイユを鑑賞した。舞浜の劇場で公演している『ZED』というもの。サーカスというもの自体はじめて見たのだが、シルク・ドゥ・ソレイユは単なるサーカスではなかった。まず舞台装置がすごかったし、音楽も歌も生演奏だし、衣装もとても豪華で、繰り出される技は競技スポーツの国際試合を観戦しているような迫力、しかし言語には頼らない物語がしっかりと展開する…総合芸術なんだなと感心した。

しかしやはりここでも感じることは、わたし人生無駄遣いしてる…ということ。よく脳はその能力の1パーセントも使われていないなんて言説があるけど身体も同じで、シルク・ドゥ・ソレイユの人は身体能力の限界へ挑戦しているだろうに、わたしはたったの0.1パーセントも筋肉だの腱だの使ってないんだろうな、としみじみしながら帰りに寄った45Rで、購入するにあたって覚悟の必要な値段のワンピースを買ったんだった。お金使うことだけは一人前。