シンジュクアクション Neo Inst Emotion #1

小谷×吉野×向井=日本音楽界の良心、って感じの3人だった。
小谷美紗子、bedside yoshino(吉野寿)、向井秀徳の弾き語りライブ@新宿ロフトに行ってきた。なんと3年連続で私の「ライブ初め」は小谷さんになった。今年も良い年でしょう。
順番は3人のなかでは一番若い小谷さんが初めで、心筋梗塞からの復活第一弾ライブの吉野さんがトリなのかと勝手に予想していたんだが、どうやら男性二人が「トリはイヤ」と早々に順番を決め、何も知らない小谷さんがトリになったとのこと。
トップの吉野さんは少し痩せたのかなとは思うけど、病み上がりを感じさせない、あのいつものギターかき鳴らしの絶叫で、MCを全く挟まず8曲くらい歌いきった。1曲目から全力だったので「だ、大丈夫なのだろうか…」と密かにドキドキしてしまったが、そんな心配なんか「しゃらくせえ」と吉野さんは思ってるんだろうとわかる演奏だった。ソロの曲ばかりだったと思うけど(ソロはまだ聴いたことがない)最後にeastern youthの曲をやってくれた。
次の向井さん、ライブを見るのは初めて。けど、とても良かった!ナンバガの曲もやってました(少しだけ聴いたことがある記憶なので曖昧だけど)。歌詞が独特だなあ、小説にできそう。景色が浮かぶ曲が多いと思った。前半はアコースティックギター、後半はエレキ。ギターもうまいし、ボイパも面白かった。生歌で聴いてみると、実はとても甘い声…と思った。
最後は小谷さん。新宿ロフトにグランドピアノを搬入したのはこれが初めてだったそうです。あの狭いステージに…と思ったけど、やれないことはないのだった。
また髪が伸びてほわほわパーマになっていた。スウェット生地のワンピース、スタッズのついた白いベルト。相変わらず白くてちっちゃくてかわえぇ。
しかし演奏が始まると一変。うおぉぉーコレコレ、これだよ私が観たかったのは!!!と意識がぎゅううと集中していく。毎回毎回、書くことが同じになってしまうので、あんまり意味無いとは思いつつも、あえて書く!
なぜこの人の歌はこんなに強力なのか!
今思い出しただけで感情が乱れるくらい、そのくらい力がある。力というのは良くも悪くも働くもので、強ければそれだけ多くの人に届くのかといえば、そうじゃない。強すぎて受け取れない人のほうが、きっと多いだろう。でも、一度受け取ってしまったらもう、果てしなく貪欲に求めるだけだ!それが私にとっての小谷美紗子の歌。
ライブで見るたびに打ちのめされるくらいに感動して、次のライブ、次の…とどんどん期待はエスカレートしていくのに、一度として裏切られたことがない。曲はここ何年か繰り返し繰り返し気がふれるくらい聴いてて、脳内で自動再生されてるくらい、カセットテープならとっくに伸びきってるような状態なのに、この新鮮さ、瑞々しさ!一体どうなっているのか。
未熟なものが完成に近づく過程での跳躍というのは簡単で、でもそれがある意味新鮮さを維持できる「仕掛け」になると思う。それに対して、すでに完璧なものが状態を維持し続けること、錆つかずに「再生(死んで生まれかわること)」をし続けていくことは非常に困難なことだ、と私はずっと勘違いをしていた。ただ色あせていくことをどれだけ先延ばしさせるか、そんな努力が必要なんだと思っていた。
けど最近ずっとマイケルの曲を聴いてて思った。完璧なものというのは、それだけで全てが整っているんだなと。努力とか維持とか、そんなちっちゃい話ではなかった。永遠の命を与えられてしまったものなんだ。小谷さんの歌も全く同じこと。そういうことが実感できたライブだった。

  1. Rum&Ginger
  2. OUT
  3. 眠りのうた
  4. 街頭の下で
  5. 明日からではなく
  6. 消えろ