アリーナ・コジョカル〈ドリーム・プロジェクト2014〉Aプロ

7月20日(日)
<第1部>
・「オープニング」
振付:ペタル・ミラー=アッシュモール 音楽:アレクサンドル・グラズノフ
アリーナ・コジョカル
オヴィデュー・マテイ・ヤンク、ロベルト・エナシェ、堀内尚平、クリスティアン・プレダ、ルーカス・キャンベル


・「眠れる森の美女」より グラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ 音楽:チャイコフスキー
ローレン・カスバートソン、ワディム・ムンダギロフ


・「HETのための2つの小品」
振付:ハンス・ファン・マーネン 音楽:エリッキ=スヴェン・トゥール、アルヴォ・ペルト
ユルギータ・ドロニナ、イサック・エルナンデス


・「エスメラルダ」
振付:マリウス・プティパ 音楽:チェーザレ・プーニ
日高世菜、ダヴィッド・チェンツェミエック


・「ラプソディー」より
振付:フレデリック・アシュトン 音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
吉田都、スティーヴン・マックレー


・〈本日の特別プログラム〉 「5つのタンゴ」よりソロ
振付:ハンス・ファン・マーネン 音楽:アストル・ピアソラ
イサック・エルナンデス


・「リリオム」より ベンチのパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:ミシェル・ルグラン
アリーナ・コジョカル、カーステン・ユング


<第2部>
白鳥の湖」 第2幕より
振付:レフ・イワーノフ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
東京バレエ団



<第3部>
「海賊」 ディヴェルティスマン
振付:マリウス・プティパ 音楽:リッカルド・ドリゴ
アリーナ・コジョカル、ユルギータ・ドロニナ、日高世菜、ローレン・カスバートソン、ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、ダヴィッド・チェンツェミエック、ワディム・ムンタギロフ、イサック・エルナンデス
http://www.nbs.or.jp/より引用)


儚げで少女性のあるコジョカルのことを、わたしは女王だと思ったことはなかったのですが、オープニング作品のこれは「儚げ、少女性、かつ女王」でした。とてもよかった!星空のような照明だったのだけど、星の光を浴びてキラキラ輝くコジョカル!かわいい!!可憐!!

なかなかのオープニングで期待が高まりすぎたのか、「眠り」のお二人は…ひやひやしたり、精彩を欠く踊りで、なぜもっと似合う作品にしなかったのかなあと不思議に思いました。カスバートソンは古典のイメージがないので。それとムンタギロフは新国立バレエの新作「眠り」でゲストとして米沢さんと踊る予定ですが、それがとても不安になりました…。

オランダ国立バレエから来てくれた二人の「HETのための2つの小品」、これはとても見ごたえがありました!ユルギータ・ドロニナはパリオペのマチアス・エイマンとジゼルを踊ってる映像をネットにアップしてるのですが、それを見たときあまりの空気感(羽根のような軽さ!)に衝撃を受けたのでとても期待していました。そして期待通りのテクニックと情感があり、パートナーのイサック・エルナンデスもセクシーでキレのある踊り手で、本当にかっこうよかった!

エスメラルダ」の日高さんはコントロールが上手くて、見ていて気持ちがよい踊りでした。パートナーのダヴィッド・チェンツェミエックは印象に残りにくい踊りでした。


そして、この日の、いや一生のなかでも深く記憶に残り続ける踊りは「ラプソディー」の吉田都さんとスティーブン・マックレーでした!もう音楽そのもの!!音符!!音楽の妖精が具現化して踊ってるのかな??ファンタジー??と思うくらい言葉がでないほどの感動があんな短い時間で与えられる表現者ってのがいるんだな…と。初めて都さんの踊りを生で見たので、本当に驚きました。身体能力が高く、音楽性もあるマックレーもこういう相手ならさぞ気持ちよく踊れるだろうなあ…天才ゆえに二人にしか通じ合わない感覚があるだろうな…と想像します。いつまででも眺めていたかった!!


日替わり演目はイサック・エルナンデスのタンゴ。やはりセクシー!かっこいい!ユルギータちゃんと一緒に、これから来日する機会が増えるといいなと思いました。


第2部の白鳥は…たぶん去年のロイヤル来日公演で二人が踊らなかったから、その穴埋めというわけじゃないけど、まあ…そんな感じで選ばれた演目なのかと思いましたが、群舞までは必要なかったのではないかなあ…。ゆうぽーとホールってこぢんまりしてるから、なんだかぎゅうぎゅうで、そのわりにガラのとりあえずなセットだから余計に寂しげというか…貧相というか…なんというか…。


第3部は「海賊」の見せ場をてんこ盛り(笑)メードラがコジョカル、グルナーラがユルギータ、アリはイサック、ランケデムがマックレー、男性あと3人はコンラッドwやはりユルギータちゃんのテクニックが光る。あとマックレーは異次元(笑)

完全にわたしの予習不足で「リリオム」をまったく理解できなかったのが残念でした。。。あらすじくらいしか知らずにいて…それだけでは振付の言語を咀嚼できなかった。やはり予習大事だなあというのと、いち場面を切り取るガラ公演というものの難しさも感じました。いろんな踊り手に出会えるよい機会なのだけど、全幕を見たときの充足感を得るのはまた違うし。

しかし今回はなんといっても吉田都さん!!もう存在が宝!ありがたい!!というわけで、帰宅してすぐにロイヤルバレエ「くるみ割り人形」、都さんが金平糖の精のときのブルーレイを再生しましたよ(笑)