田渕ひさ子×小谷美紗子ライブ @ 7th Floor

意外にも初めての組み合わせだった「田渕ひさ子×小谷美紗子ライブ」、副題をつけるとすれば「ひさ子が美紗子を好きすぎて…」かな…(笑)

今回のレポートは「ひさ子と美紗子」呼び捨てで書くわ。


ひさ子登場から「ただの小谷美紗子ファンです」と挨拶(笑)小谷さん好きで、ファンになったきっかけから嬉々として語ってくれました。
まだ福岡で会社勤めをしてるころ美紗子のデビュー曲「嘆きの雪」をテレビで聞いて、気になって気になって翌日CD屋をハシゴするも見つからず、お姉さんがCD屋で働いていたので「帰りに買ってきて!!」とお願いしてようやくファーストアルバムを聴き、その楽曲の近さにびっくりしたと。

(手のひらを顔正面に覆うように近づけて)「もう、この距離、この距離で歌われてる感じがしたんですよ!わたしと曲のあいだに誰もいない、他の誰も入ってこられない、そういう近さがあるんです美紗子ちゃんの曲には!」わ、わかります!わかります!!!


初めてライブに行った(セカンドアルバムのツアー)ときは「神様に会いにいくような気持ちで行った」、そして美紗子が登場と同時に号泣だったらしい(笑)「アンケートにですね、”わたしも音楽をやっています。いつか同じミュージシャンとして小谷さんと一緒にステージに立てたらと思います”ってすごくイタいことを書いたんですよ!それも2回は書いたと思います。それが今日これですよ!」う、うん、よかった…よかったね…!!

その後、ひさ子はナンバーガールでデビューし、あらゆる媒体で「小谷美紗子が好きだ好きだ」と言って(罠を張り)、とうとう美紗子がナンバガのライブに、しかもお花をもって来てくれ、「楽屋でね、花束もった美紗子ちゃんを見たときは鼻血ブーーでしたよ!!!」

「それからメールアドレスを交換してね、今では”美紗子ちゃん”と呼べるようになって、カラオケ行ったりするんですよ…。わたしバカだから本人の前で『火の川』歌ったりしてね…するとね2番を美紗子ちゃんが歌ってくれるの!ご本人さま登場キターーーー!!!ぎゃあああ嬉しい…!!自分の歌が恥ずかしいとか一切ないから!」


まあ、このようにですね、ひさ子は時折自慢を交えつつ(笑)、終始笑顔!笑顔というかニヤケ!!演奏してるときはキリっとしてるのに、終わるたびに小谷さんとライブしてると実感するのか、グフッ、グフッって漏れる笑い…。ひさ子…あなたと一晩語り明かしたいよ!「小谷美紗子を語る夕べ」しよう!とガッシリ握手したいくらいでしたわ(笑)

可愛すぎする…ひさ子…美紗子とライブできると決まったときは「お墓参りレベルで喜びました。あ、ご先祖さまに感謝するレベルです!今日のリハでも、美紗子ちゃんの歌をほぼ独り占めで聴いて…鼻水だして泣きました」どんどん詳らかになるひさ子の過剰な美紗子愛!


わたしはひさ子の歌声を聴くのは初めてであったのだけど、透明感のある超かわいい声で、昭和のアイドルソングをカバーしてほしいと思いました。大好きだという美紗子の「The Stone」をカバーしてくれました。



そして美紗子の出番です。美紗子MC第一声は「田渕ひさ子の夢叶うライブへようこそ」でした…
で、でたー!愛されてる確信をもったドS発言!さすがだ…美紗子と思っていたら、「ひさ子ちゃんはデビューの頃から好きでいてくれるから、会うたびに初心を思い出せてもらえる。本当に感謝してる。イースタンユースの吉野さんやレキシの池ちゃん、ひさ子ちゃんなど他のジャンルのミュージシャンが自分のことをいい、好きだと言ってくれるのは本当に有り難いし、あぁ自分でやってきたことは間違ってないんだなって思わせてくれる。今日は二人でライブできて幸せです」と。

あれ?これは結婚披露宴かなにかの挨拶ですかね…??と思ってましたら、アンコールではひさ子が「今日は二人のためにありがとうございました///」ってテレながら挨拶しましてね…「どうぞ末永くお幸せに」って心の中で祝福したよね…(笑)

小谷美紗子セットリスト

  1. 手紙
  2. universe
  3. 誰か
  4. 正体
  5. who
  6. 儚い紫陽花
  7. 紫式部
  8. 見せかけ社会

アンコールはひさ子ちゃんと二人

  1. ひこうき雲
  2. 眠りのうた

さて、ほとんどMCだけで終わりそうな勢いですが、歌のことも少し。ひさ子ちゃん向けというか、デビューのころの懐かしいナンバーと新譜「us」から構成された珍しいセットリスト。小谷さんの曲はどれも大好きだけど、ほんとのほんとに最高に好きな曲ばかりで構成されてて、ひさ子ちゃんとのハッピーな雰囲気も味わいつつ、こんな素晴らしい曲が聴けるなんて…!生きててよかったよ。

弾き語りではやはり輝く初期の歌。でも今回「誰か」を弾き語りで聴いたら、失恋がテーマというのもあるかもしれないが、間奏のメロディとか初期の歌っぽい印象だった。「誰か」には「雨宿りはやめた 梅雨の花のように」という歌詞があり、「儚い紫陽花」も梅雨の歌だから、6月生まれとしては嬉しかった。

紫式部」を聴けたのはこの7年で2回目くらいかな?小谷さんは「歌うたび泣いてしまうのでライブでやりたくない曲(愛犬の死を歌にしたものなので)」だそうだが、レキシの池ちゃんがこの曲を大好きで、小谷さんのレキシネームをパープル式部にしてくれたお陰で、曲に明るいイメージがついて、また違う印象で歌えるようになった、とのこと。


「見せかけ社会」は高校1年生くらいに書いた曲で、「あの頃は日本が大嫌いで、テレビも近所のおっちゃんおばちゃん、学校も家族もみーんな嫌いで、動物以外ほんとに嫌いだった。日本を大嫌いで早く出たくてオーストラリアに留学した。でもオーストラリアにはまだ戦争(WW2)の爪痕が残っていて、わたしは日本人だから留学先の先生に嫌なことを言われたりしたこともある。外を知ると、改めて日本のよいところが見えて、大嫌いでダメなところもあるけど、それと同じくらい素晴らしいところもあるとわかった。そうして書いた曲」と紹介してくれた。「子供の頃に思ったことを大人になると言えなくなるというのじゃなくて、やはり子供の頃に思ったことは正しい。そういうことをちゃんと言えるのは大事」とも。


アンコールで「ひこうき雲」をやったあとに、ひさ子と美紗子は「二人だけだから、プチta-taだね」と言ってた。美紗子「池ちゃん忙しそうだから、鍵盤は私がやるよ。集まれる人でまた集まろう。…もしかすると二宮さんと私だけになるかもしれないけど…」ひさ子「ああ、それ見たい…見に行く」いやいや、見てないでステージ立とう!

ああ可愛かった…ひさ子ちゃん本当に幸せそうだった。アンコールも前日に小谷さんがメールで「もしよかったら…」と断りやすいように気遣った文面で提案したそうだけど、ひさ子「断るわけないじゃん!!やるよ!さらに”この曲もできるよ?”と返信して、めっちゃ練習した!」と…微笑ましい。

とにかく二人が幸せそうで、きゃっきゃしてて仲良しで、心から楽しかった。聴き手と小谷さんの楽曲の近さがなせる業だなあと思った。また「ひさ子と美紗子」やってほしい!