Carrot and stick vol.2 @下北沢GARDEN
小谷さんが日記で触れていたように、今回はアッパーな曲(おもに新曲)が多かったかな。いつもはラストスパートの怒涛メドレー(小谷さん曰く”短距離走コーナー”)に入れられる「recognize」も初めのタームに入れられて、おぉ!と思った。今日はやる気なのね…?と(笑)
新曲について。
「果て」…去年は悲しいことが多くて、これが果てなんじゃないか?これ以上の悲しみがあるのかと本当に落ち込むことがあったそうだ。今までだったら、悲しみや苦しさ、悔しさをそのまま吐き出すように曲にしてすっきりしていたけれど、近頃はそういうのを通り越して、悲しすぎて明るい曲を書きたい!と思った、と。それを聞いて、あぁこの人はほんとうに大人になったんだなあと親みたいなことを思ってしまった。
「正体」…日々のニュースで国旗が燃やされたり、暴動の様子を見ると「ああなんて野蛮な生き物なんだろう人間って」と思うそうで、「怒りのままに行動するんじゃなくて、そういう激情をコントロールして、やさしい気持ちで物事を押し上げることはできないのかな」と思って作ったそうだ。”土地に名前をつけて奪い合う”という歌詞に竹島や尖閣諸島のことがきっかけになっていることがわかる。そのあとに宗教の違いで別れたカップルの歌「OUT」をやるあたりが小谷さん。
「Run Run Run」…自分の大切な人にはとにかく楽しい気持ち幸せな状態でいてほしい、悲しみや苦しみからは遠くあってほしい…と願って書いた曲。「こんな曲調が自分に書けるんだと不思議だった」というようなことをおっしゃっていた。闘うことも必要だけど、困難から逃げることも大事よ、という歌詞。
「僕の絵」の曲紹介のとき、これは数年前にすんごく悲しいことがあって、世の中すべて恨むくらいに落ち込んでて「もう!車に火つけてやりたい!!」くらいまで落ち込んでいたとき、画家の門秀彦さんから素敵な言葉がつまったメールをもらい、それにとても励まされて作った曲と。え?ふつう落ち込んでるときに「車に火をつける」とか攻撃的にならず内向的になると思うんだけど(笑)ここが小谷さんの不思議なところ。
アンコールで最後の1曲を前に、「ああ、終わりたくない〜終わりたくない〜♪」と即興で歌うくらい名残惜しそうだった小谷さん。いつもは「ライブはさっさと演奏する」って感じなのに、MCも多かった。トムヒロが準備万端な状態なのに「待て」として、「ここはしゃべるんやで」とドS顔でニヤリとしたり。
新曲作って、それをすぐにライブで披露するというのが、小谷さんのなかでうまく巡っているんだろうなあと思えた。「ライブが終わったあと、あったかいものを抱えて帰って欲しい、あったかいものを手渡したい」というようなことも言っており、ライブでの「対話」「やりとり」というものの存在感が増しているのかも。
「音」のとき「曲を知ってる人はコーラスいっしょに歌ってね」と言ったのも初めてのことではないか?「テゥーテゥーテゥー テゥーテゥーテゥー」とトムくんが必死な顔でコーラスしてるのをすんごい満面の笑みで見ていた小谷さん。
ヒロは今回もコントラバスを演奏。記憶あいまいだが「照れるような光」「僕の絵」「The Stone」だったかな。もっとあったかな?素晴らしかったので、また「ピアノとベース」ライブやってほしい。
アンコールも終わり退場するとき、トムくんが二人にステージ前に出るように指示して、先に出てきた小谷さんの肩をガシっと抱き寄せ、「おぉ!!なんだなんだ!何が始まるんだ!重大発表でもあるのか!?」と浮き足立ったけど、ヒロにも小谷さんと肩を組めと促して、小谷さんを挟むように3人が並び、ご挨拶した。トムくんがあんなふうにリーダーシップをとるところも初めて見た。
トリオ史上めずらしいことがたくさんあった、記念すべきライブだったんじゃないかと思う。12月の最終回も楽しみ。
セットリスト
- CATCH
- YOU
- recognize
- 照れるような光
- Blink of stars
- 僕の絵
- 果て(新曲)
- 正体(新曲)
- OUT
- Faint Odor
- The Stone
- 音
- Run Run Run(新曲)
En.
- 3月のこと
- 手紙
追記:小谷さんへ「またピアノとベースのライブが見たいです」とメッセージをしたら、小谷さんもやりたいとお返事。トムヒロの都合がつかなければ、「ピアノとベース」「ピアノとドラム」もできそうだ、とのこと。ピアノとドラム!それもすごそうだね!!実現するの楽しみ!!