居ながらにして

今日は家にいました。1月からずっと土日のたびにどこかしら1人で出かけているので、夫から「今日は家にいるんだ?」と言われる始末です。ひさしぶりに夫とゴロゴロしながら本読んで、まさに休日!いい一日だった。

イギリスで活躍するラミンに興味を持った今でも海外旅行にあまり興味がないけれど(このGW中にラミンのコンサートのため渡英したファン友数名)、他人が海外でとんでもない目にあったりしたことを面白く書いたものは好きです(笑)

世界中の辺境地を旅している高野秀行さんは、いま生きている人のなかでわたしが最も敬愛している方です。著作を読んでいると「ノンフィクションなのによくもまあ、こんな展開を引き寄せるなあ!なんだこの人は!!」と驚嘆します。

ジャングル分け入って旅したり、砂漠でマラソンしたり、やむをえない事情で不法入国して強制送還されたりしてるんですが(笑)、ご本人はぜんぜんマッチョじゃなくて、むしろ物静かで知的、だけど気さく、そして声が素敵!

ファンイベントで酒席をご一緒できたとき、とても楽しくお話できた幸せな記憶があります(そのとき高野さんに肩をガシっとされて2ショット写真撮ってたwそんなんラミンが初めてだと思ってたのに…驚き!!つくづくミーハーだなあ…わたし。夫とさえ、そんな写真ないよ!)

ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)

ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)

今年アウンサンスーチーさんが自宅軟禁を解除されて政治活動を再開しましたけれども、この本は今から7年前くらいのことかな、船戸与一さんの取材旅行に同行したときの話。ミャンマー=軍事政権=悪の国家みたいな簡略した図式で理解して済ませてしまがちなところに、「?」を与えてくれる本です。高野さんの目はいつもフラットで、先入観や偏見とは無縁です。国家という大きなものを、現地で出会った人を通して書き、そして笑わせてくれる。

メモリークエスト (幻冬舎文庫)

メモリークエスト (幻冬舎文庫)

読者からの依頼を受けて、世界中で探し物、しかも記憶の探し物をする企画。これはほんとにすごい!高野さんの強運、天性の才能を感じずにはいられない展開。だって、ほとんど情報がない(名前もわからない人を探してほしいとかそんなんばっかり)のに…。読んでるとワクワクします!そして後半、ルワンダ紛争のあと難民キャンプでの虐殺現場あとに出くわしてしまったがために追われる立場になった青年や、ユーゴスラヴィア紛争で行方がわからなくなった男性の捜索などは、世の中の不条理をずっしりと感じます。

幾千の夜、昨日の月

幾千の夜、昨日の月

旅と夜についてのエッセイ。角田さんもけっこうハードな旅をしてますな。高野さんもそうだけれど、角田さんの旅もの読んでると、あぁこの人の目がほしいなあ…と思う。目だけ持ってても、アウトプットできなきゃ角田さんにはなれないわけだが(笑)でも、こういう目を持って見る世界は、わたしがいま見ているものとは圧倒的に違うんだろう。そういうのが見えたら、わたしは何を思うのかという興味がある。角田さんの旅エッセイのなかでもとくに好き。