読了

死ぬ気まんまん

死ぬ気まんまん

“私はガンになっても驚かなかった。二人に一人はガンである。ガンだけ威張るな。もっと大変な病気はたくさんある。リュウマチとか進行性筋萎縮症とか、人工透析をずっとずっとやらねばならぬ病気とか。ガンは治る場合も大変多い。治らなければ死ねるのである。みんなに優しくされながら。私はうつ病自律神経失調症の方がずっと苦しくつらかった。”(16頁)
前半はガン告知されてから数年経った2008年のエッセイと対談、後半はうつ病ホスピスに入院していた1998年のエッセイ。引用したように、精神を病んでいたときの文章というのは薄暗く、読んでいても体の節々が痛くなる感じがした。佐野さんのぱっと火花が散るような勢いの文章が好き。そして佐野さんの生死観はわたしもこうありたいと思うかたち。わたしも「金と命を惜しまず」全うしたい。

こちらあみ子

こちらあみ子

ユーモラスなんだけど、怖い。収録2作品ともに、透明度の高い「善意」がじわじわと人を傷つける印象を受けたんだけど、これはわたしが腹黒いからか?