ほそぼそ

大野更紗さんの『困ってるひと』、いろんな作家の方がツイッターで絶賛してくれてるなか、窪美澄さんがひときわ猛烈に宣伝してくれてる…「売れてほしいんですよ、真剣に」という言葉に感激する。わたしが感激するすじあいはないんだが(笑)お礼に『ふがいない僕は〜』買おうかな…とか思う始末。いや、売れてるからいいか。ツイートの感じだと、窪さんはエッセイも面白そうです。

今日のクローズアップ現代は「シェア」についてだった。週末しか乗らない車を1日3千円程度で貸すとか、物を無償であげる、その際には直接会って受け渡しなんてやつです。渋谷でのビニール傘の無料貸し出し「シブカサ」あたりは以前から便利だなと思っていたけど(借りたことはないが、ビニール傘の一日売上数16万本とか聞くと、ぎょえー!だし)、車はどうなん?保険料とか、事故や乗り逃げとかのトラブルには補償があるのかしら。それについては何ら提示されることなく「大量生産・大量消費に代わる新しい物と人の交流」なんてきれいに終わっちゃって物足りない…。

以前からの希望であった「地味に細々社会」が、なんか原発事故をきっかけに一気に現実味帯びてきてるような(いいのか悪いのか)。ただ、このままのシステムで縮小になると「細々」どころか「行き止まり」に遭遇してしまう人もたくさんでそうだから、どういうシステムがいいんだろうなぁとあてもなく考える。そこそこな人はそこそこ満足で、優秀な人がここを選んで住んでくれる国(笑)その両立は贅沢なんだろうか。でも治安をいまより落としたくないなら、食べることに困らず、ある程度の教育を受けて、仕事ができるってのは外せない条件でしょう。で、その国の教育というのは大学のレベルでおのずときまる。

企業の移転だったら経済に直結するからみなさん騒いでくれるけど、教育研究施設が国外へでてしまうことも同じように影響がある。とくに理系の研究は大規模なものも多いので、一旦移転してしまえばもう戻れない。日本はいまのところ海外から優秀な研究者を受け入れられる土壌はあるけど、事故のゆくえとその後によってはいつまで保てるか。教育ってその国の歴史だから、途絶えると繋げることは難しいような気がして、職場で学生の顔をみるといろいろ案じてしまう。