雪が降るとあたたかい

目覚めたときは曇天だったのにあれよあれよと雲が晴れ、さんさんと陽がさし、この冬初めてベランダから真っ白の富士山がくっきりと見えた。南向きの部屋にすみずみまで陽が届き、ぽかぽかしていたのでパーカの上にキルティングジャケットと比較的軽装で図書館まで出かけたら、風が冷たくて震えた。関東特有の、この乾燥しきった冷たい風にはどうも慣れない。温度では当然に会津のほうが寒かったのだけど、風はほとんど吹かないし、湿度があるので体感温度に差がある。雪国の人じゃないと理解してもらえないのだが、雪が降らない地方の冬はものすごく寒く感じる。雪国の寒さは静かに体にしみてくる寒さだが、関東の寒さは強奪されるような寒さ。でもクセ毛のわたしはブローをしっかりすればストレートにセットできる関東の冬も嫌いじゃない。会津ではいくらブローしても湿度でうねっておかっぱにセットできなかったから。